製作年・製作国・監督名等は主に『キネマ旬報DB』データから引用していました。
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●●インド夜想曲 1989フランス アラン・コルノー
「私は夜鳴く鳥になりました」
失踪した友人を捜してインドを彷徨するロシニョル。 ゴアへ向かう途中で出会った畸形の占い師は、通訳の少年を通して告げる。 「あなたの魂はここに無い、魂はとても遠いところにある」 ツタヤのビデオを借りて借りて、借り過ぎて潰したのは私、かも。
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●イル・ポスティーノ 1994イタリア=フランス マイケル・ラドフォード
詩の、力。
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●●去年マリエンバートで 1960フランス アラン・レネ
「人けのないサロン 古めかしいその過剰な装飾 部屋は静かで 厚い絨毯に足音はのまれ 当人の耳にも届かぬほど まるで耳が… 果てしなく続く廊下 静寂 無人 彫刻に縁取られた扉の列 回廊 部屋は静かで厚い絨毯に足音はのまれ ・・・・」 |
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●DUST ダスト 2001イギリス/ドイツ/イタリア/マケドニア ミルチョ・マンチェフスキー
投げ上げた金貨の表裏は、2000年のニューヨークと100年前のマケドニア。
そうして物語に直接関わった人々がすべて消え去って、老婆の 骨壷がカタカタ鳴って、物語の続きをせきたてる。 「おまえさん、また騙されたね♪」 |
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●●ワン・フルムーン 1992イギリス エンダヴ・エムリン
みて欲しいと言われて、みた。
満月。川べり。母。オルゴール。毟ったガチョウの羽根がふわふわ。 裏切り者。廃屋で天使が襲う。天使が襲う!? 正座してもう一度みた。 ……これは、なに? かたわらの灰皿に目をやれば、長々とした一本分の灰。 |
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●フル・モンティ 1997イギリス ピーター・カッタネオ
失業した男たちの起死回生の奮戦記。
強く残るのは、いまも厳然とある階級社会。 笑ったあとでやりきれなさが沁み込む。 そうか、庶民とはこういうことか。 ということも忘れてまたみれば、ゲラゲラ。 |
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●スモーク 1995アメリカ/日本 ウェイン・ワン
ブルックリンの下町。 煙草屋のオーギーは、キツいジョークが得意でホラ吹きで、 でも独自の哲学を持つ正義漢、ニッコリした顔に人の良さがにじむ。 原作を読んでいるときからハーヴェイ・カイテルの顔がちらついて。 もうピッタリ! 悪態のつき方、最高! こんなオヤジがいたら通いますとも。煙草屋でなくても。 |
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●●友だちのうちはどこ? 1987イラン アッバス・キアロスタミ
宿題を忘れた友だちは「こんどは退学だ」と先生に叱られている。 その友だちのノートを間違えて持ち帰った少年が、ノートを返すために 住所も知らない友だちの家を探し歩く話。 ではあるが、乾き切ったジグザグの道、老人たちの会話、商売人たち、 迷路のような村、すれ違い、またもジグザグの道、徒労、靴下の大きな穴。 |
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●ミツバチのささやき 1973スペイン ビクトル・エリセ
妖精の時間。
あらすじを書いたところでどうなるんだろう? 観るしかない! という映画のひとつ。 ちょうどこの写真場面の動画がYouTubeにあったけれど、削除されてしまった。 残念。 主人公の少女アナ・トレントが可愛い! |
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●デリカテッセン 1991フランス ジャン・ピエール・ジュネ
Amazonのおすすめにいつも入っていて、なんで私にホラーを ?
と思いながらみてみると。 核戦争後のパリ。精肉屋兼アパルトマンの不気味な住人たち、 地底人も混じって繰り広げる狂気に満ちた大騒ぎのブラックファンタジー。 膝から落ちた毛糸球が、コロコロコロ……。 |
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●●ベンゴ 2000スペイン/フランス トニー・ガトリフ
一流ダンサーやミュージシャンを起用したフラメンコ映画。
しかしストーリーは平凡。 しかし、しかしフラメンコ映画。 彼らの歌と踊りに震えあがった。 見終わっていきなりサントラを買った最初で最後(今のところ)の映画です。 |
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●バグダッド・カフェ 1987西ドイツ パーシー・アドロン
「バグダッド・カフェ」詩に引用されているのをかなり見かけた気がする。
どの場合も引用した詩人の思いを共有できる気がする。 なにげなく、ささやかな、そして真摯な幸福の代名詞として。 何度みても観終わった直後は、誰とも、何も喋りたくない。 やがて、無性に喋りたくなる。掃除をしたくなる。 |
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●●切腹 1962日本 小林正樹
深夜TVで、すでに本編に入っていたが暗い画面と仲代達矢のぼそぼした
声に座り込み、結局最後までみてしまった。 20年以上前のことだ。 その時は呻くような気分だったのが、やがて“二度とみたくない映画”になり、 実際、みてない。 しかしどうしようもなく残っていて、時代劇といえばコレ、になってしまう。 いまこうして書いていても、再びみる勇気はない。 |
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●●列車に乗った男 2002フランス パトリス・ルコント
小さな町で、列車からふらりと降り立った中年の男と、地元の
引退した老教授が、ふとしたことから言葉を交わし交流が始まる。 わずか三日間のこと。 映画館で予告をみたものの、いまいち分からないままラストシーンだけは 強烈に印象に残っていた。改めてみて、あのシーンは邂逅の美しさだったと思う。 これも、詩。 |
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●●レオン 1994アメリカ リュック・ベッソン
いわずと知れた名作。
同監督の『ニキータ』も好きだが、ここでのG・オールドマンの 狂気ぶりと主題歌が忘れがたい。 |
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●不思議惑星キン・ザ・ザ 1986旧ソ連 ゲオルギー・ダネリヤ
ご挨拶は、「クー!」 このポーズで。
砂漠に浮かんでいる鐘、のようなものは宇宙船。 このおじさんたちが、宇宙人。 キン・ザ・ザでの記憶を消去されてモスクワに戻った主人公たちだったが、 街角でばったり出会った瞬間、「クー!」 脱力しそうで、でもそうはならない。 どこかニガい後味もいい具合い。 |
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●●雨月物語 1953日本 溝口健二
かのミゾグチ。かの秋成の。かのゴダールが。かの…。
であるらしいが私には、京マチ子。 あの妖しさ。あの豪華さ。あの美しさ。あの哀しさ。 物の怪は、きっとそんなふうだったろう。そうあってほしいとさえ思ってしまう。 とんでもない女優がいたものです。 |
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