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海にもたれて  Diary Index

2016年--2009年
 

27 December, 2016  モノ・物

引っ越しの見積りをしてもらうと、しきりに「モノが多いですねえ」。
 (ん? 営業かけてる?)
21年前に転居を余儀なくされた時に家財はほとんど処分したし、ここへ越してから
増えたものといえば小型家電くらいなもの。
他の老年世帯とウチはどう違うのか聞くと、「本箱が四つありますから」。
ふむ。

以前も同じ業者さんで、その時は開口一番、「本が多い」。
だから、モノとは家財(タンスやテーブル、ソファ)で、本は本だと思っていた。
けど、本はモノなんだ。
あたりまえか。


これまた、いつぞや聞いた先輩の言葉。
  図録やパンフ、本も、読んで読み倒して頭にいれて、
  そして処分する

・・・できないわ。



17 October, 2016  ふわっと

このところ若い人たちを迎える機会が多いせいか、平坦なだけの日々のそこここが、
ふわっとめくれるような。

お肌のハリや艶にうっとりしながら、このころは私もそうだったなあ。
いやいや。若さだけが取り柄で、かれらほどの分別も柔軟さもなかった。

  「みんなスイスイ追い越して行くし、後ろにいたら、お先にどうぞ。
   その背中をながめながら、のんびり歩くのもあんがい楽しいのよ。
   もっとも今のあなたには負け惜しみにしかきこえないでしょうけど」
・・・いつぞやの合評での大先輩の言葉がよみがえる。
はい、たしかに楽しいです。


■今日ご紹介の詩集
・まだひっそりしまわれたままの「息」はどんなだろう 『宇宙の箱』野田かおりさん



11 September, 2016 現代詩セミナーin神戸2016 10月22日(土)

     新しい文学視像を求めて

・・・石牟田道子がもう50年近くも前、・・・みずらから病に倒れた人びとと一体化した現代の
語り部たることを宣言したことを思い出します。
 巨大なテクノロジィの発達等によって、高度の物質文明のなかで、逆にあてのない不安、
不快、恐怖感にさらされている今、私たちはあらためてわが内なる他者、他者のなかの
自己をめぐって検討してみようではありませんか。石牟田道子の表現活動をみつめるなかで
可能になるはずです。

                  
〇講演 藤井貞和

〇講演をめぐっての討論  藤井貞和・京谷裕彰・たかとう匡子・松尾昭三・会場全員

〇セミナー参加者による詩の朗読

◆2016年10月22日(土)13:00~17:20(受付12:00~)

◆神戸女子大学教育センター 5F 特別講義室
 電話 078-231-1001
 JR・阪急・阪神・神戸地下鉄「三宮駅」より徒歩8分(生田神社の山側)
      
◆参加費 2000円 (懇親会費5000円)ともに当日受付でお支払いください

◆主催 現代詩セミナーin神戸実行委員会

◆共催 神戸女子大学/思潮社

◆後援 日本現代詩人会/澪標


・・・以上、案内より。



16 May, 2016 倉本修 個展 『詩歌うたの装画・装幀』

     


〇2016年6月7日(火)~12日(日)
 12:00~7:00pm  於1F+2F

〇画廊1Fにて 倉本修ト-クショー 詩歌うたの装幀を語る *要予約
 ゲスト 永田宏(歌人)他
 6月11日pm6:30~8:00
 参加費 1000円(学生500円)

〇ギャラリー ヒルゲート1F  カフェギャラリー ヒルゲート2F
 〒604-8081
京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地
URL http://www.hillgate.jp

〇現在進行中の砂子屋書房シリーズ「現代三十六歌仙」をはじめ受賞詩歌集の
展示のほか、昨年の画文集『美しい動物園』、次回作『芸術のルール』の挿絵や
朝日新聞連載「詩集をよむ」のイラストレーションなどもご覧いただければ幸いです。


・・・以上、案内より


   


   絵と文による幻想譚 『美しい動物園』
   2015年5月 七月堂








 倉本さんもやはり詩人だと思います。(って、やはり失礼でしょうか)



08 May, 2016  嬉しいコマッタ

ご紹介の詩集がいつのまにか100冊以上!
いただいた詩集もまだまだある。

ホームページを思いたったときは、これほどになるとは想像もしていなかったので、
有難くも嬉しくちょっとコマッタ。
相当に古いバージョンのソフトゆえ、このままではレイアウトが崩れるどころか、
『Diary』のように突然すこんと消えてしまうのでは??の心配がでてきた。
でも。
本の顔はみてほしい。表紙からすでに詩ははじまっていると思うから。
でも。
いまのところ他の方法が思いつかない。
なので。
びくつきながらも、とりあえず。


■今日ご紹介の2冊
・同じ高さのまなざしはこんなふうに暖かい『小さな窓から』桂木恵子さん

・今も止むことなく叩くのは震えばかりでなく『傾いた家』神田さよさん



16 April, 2016  熊本県のみなさま、どうかご無事でありますように



11 April, 2016  近況

誕生日がきて、人もきて、はじめて通天閣を見た3月。

若い人たちがきて、桜満開の夙川沿いを歩き、大混雑の中でも
ねじくれた幹ばかり撮っていた4月。
ごつい樹皮と、その奥の生命力にほれぼれ。

■今日ご紹介の詩集
・地図上に線の形で残る町。今から色を塗っていこう『ぬり絵』北島理恵子さん



19 February, 2016  世の中

 電車に乗り込んできたとたん、どかっ。
 脚を広げ、二人分の席を占めて手元の世界に没頭。
斜め前に坐った人を見ながら、これほど気配りがないってことは仕事も?? 
と、つい。

妊婦さんが立っていても目もくれないし、そんなに目が離せないほどのものって
何だろうと不思議。で、ときどき隣の人の手元をちらとのぞく。
よくはわからないが、たいしたものではなさそう。
わずか数分、数十分、なにもしないことが苦痛らしい。

喋っていて、なにかわからないことがあると、ちゃちゃっと検索して、これ!
即座に情報を差し出してくれる。話はスムーズに進むから、ありがたい。
が、ちょっとメイワクだなあ、も内心…。

いますぐ。カンタン。ベンリ。
ということは反対側もそうだから、なんだか怖い。
と躊躇しているうちに世の中から取り残されていくのだわ。



08 February, 2016  個人誌『夜凍河22

ここ数年のめりこんでいたものから離れようと、じたばた。
まずはご無沙汰のお詫びをかねて、と個人誌にかかりました。

すると、なんと。
前回お送りしたはずの封筒が。中味が入ったまま。数通も!
『夜凍河』21と22が入っていましたら申し訳ありません。

またしても2年ぶりの発行です。


13 January, 2016 きょうの詩

初夢(ウロボロス)」 秋葉宗一郎さん



02 January, 2016  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』7回目の新年を迎えました。

こちらは、きょうも穏やかな日。
どちらさまにも実り多い年でありますように。


いつも詩誌や詩集をありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。



03 November, 2015  ふと

ここ数年、結婚式と法事が交互にあり、その合間に友人の訃報もあったせいか、
ふと「人生」という言葉が過ぎる。

ある年のこと。
1月から10月までお通夜とお葬式が毎月続き、喪服をしまう隙がなかった。
しかも次第に関係が近くなってくるから、電話が鳴るたびギクリ。
その頃だ。
ぼんやりしていると、円環のようなものがぽっかり。その浮かんだ円環のあちこちで、
小さいのや大きな人の姿が出たり入ったり。
ああ、そうか。そんなふうに私も出て行くんだな。

妙に納得しながら、口紅の色を気にしていたのは、やはり若さだろう。
いまとなれば、それもよし。



16 September, 2015  再び

寝るかハマるか、の映画がある。
いっしょに熱くなれるはず、と強力におススメしたのに、挑戦するたび寝てしまう、
などと言われた日には、なんで!?
つい声が大きくなってしまう。

けれど、裏切りはたしかにあるもので、私はタルコフスキー「サクリファイス」で
寝てしまった…。

一方で、最初うつらうつら、ふっと気づいてからは前のめり、終ってみれば鳥肌が、
なんてこともあった。
映画館で一度観たきり。検索にもひっかからない。幻のフィルムを探して
日本列島を彷徨…することもなく何年も過ぎた。
それが最近、DVDをみかけるようになった。
再び向きあえば、やはり鳥肌がたつだろうか。やはり寝るだろうか。


■今日ご紹介の詩集
・自由にさせてくれる、まさしく読み手に開かれている『青の成分』川島洋さん



11 September, 2015 現代詩セミナーin神戸2015年11月8日(日)

     詩を書くことと生活すること

かつて詩は青春の文学だった。……だが、今、かつて経験したことのない
八十代半ばを平均年齢の長寿時代に直面して、詩を書く私たちにこの定義は
いかにも無残!
そこで天才の名を欲しいままにしつつ、二十歳をこえるや詩界から姿を消し、
…砂漠の商人としてよみがえったアルチュール・ランボーにとって、それは、
ほんとうに詩を棄て、ひたむきな生活人に徹するコースだったのか。
あるいは詩は独自にメタファーとし、生活の深部にはたらき続けるものでは
なかったのか。
          
〇講演 鈴村和成  「ランボーの砂漠」

○講演をめぐっての討論  鈴村和成+山田兼士+倉橋健一+会場全員

〇詩の朗読 コーディネーター 今野和代

◆2015年11月8日(日)12:30~ 17:00 (受付12;00~)

・・・以上、案内より。



09 August, 2015  やっと

回線がブチブチ切れて、ネットもメールもエラー続き。
6月からの不調はルーターを変えることで、やっと正常になった。

できるかぎりは自分でさわって、お手上げにならないようにしているつもりだが、
今回はすべて業者さんに設定してもらったから…。
ま、とにかくストレスが減ったのはうれしい。


手紙。
書きかけの詩。
ずっと気になっていた作家。
昨年から気にかけながらもほったらかしだったそれやこれやを、やっと。

なかなか元気です。



19 July, 2015  第48回日本詩人クラブ賞

先日ご紹介の柴田三吉さん『角度』が受賞されています。
おめでとうございます。


以前にもここで触れたが、ある人が震災体験に話が及び、いささか興奮気味に
なってきたとき、一人の大きな声が遮った。
「そんな個人的なことはどうでもいい」

柴田さんの詩集を読むたび、思いだしてしまう。


12 July, 2015  「まだ」

連休の予定で盛り上がっている席で、ちょっと口をはさんだら、
「まだ土曜も働いているの?」

驚いたのが同世代だったから、こちらも驚いた。

それからというもの、コマッタときの言い訳に大活躍。
「まだ土曜・日曜も仕事しているから」


友だちが死んだ。
50代のさいごに。
私だけ、60歳になった。
まだ働いているよ。


■今日ご紹介の詩集
・声高い応援でなく、しずかに寄り添うときに見えてくる『角度』 柴田三吉さん



17 June, 2015  心境

ゴミの日を待って廊下にぽつん。
座面に大きな亀裂。片肘からはスポンジが見え、もちろん高さ調節は利かず、
動くたび、ギーギー。
それでも使っていたら、とうとう背もたれを支えていた鉄板がパックリ割れた。

前身は、麻雀テーブル用の椅子。
麻雀屋さんが廃棄するというのをテーブルとセットで貰い受け、.
なおも4人で酷使したあげく、私専用としてひとつだけ残した椅子だった。
かれこれ30年?!
使えるから大事に使う、というより無関心のたまもの。


いまごろになってボロ椅子のことを書いているなんて、
廃止が決まったとたん、にわかに押し寄せる鉄道ファンとやらに近いのかも。


■今日ご紹介の詩集
・いつもの街を歩きながら、同時に世界の宇宙のどこかの街も歩いている『ルウ、ルウ』
 杉本徹さん



11 April, 2015  いよいよ不安

更新しようとしたら、このページがすこんと消えていた。
やはり、だらだら続けていたせいか。
詩集が消えてしまってはたいへん、とマニュアルをながめていたが、
よくわからない。

タイトル、著者名だけなら容量も少なくてすむ。らく。
でも。
詩集の顔である表紙・カバーも見てほしい。
見渡せるようにしたい。

最悪の場合になったら、そのときはそのとき。



12 March, 2015  「トワイライトエクスプレス」

 乗りたい、なにがなんでも乗りたい!
 大阪発でも札幌発でもどっちでもかまわない!
 乗るためならズル休みだってする!

そうは思っても、乗車券が手に入らない。
何度も挑戦し、あちこちにお願いし、やっと手にして乗り込んだのは札幌駅。
1990年(平成2年)8月11日のことだった。

めずらしく日付を書けるのは、めずらしく『乗車証明書』を持っているからで、
出発間際の嬉しそうな(若い)写真や、金沢(だったと思う)で停車中のとき、
車体のマークを背景にして車掌さんと並んだ写真まで残っている。
 もう日本で乗りたい列車はないな。
大阪駅でふりかえりながら思っていた。


長い距離をぼんやり乗っていたいだけで、ほっといてほしい私には、
イベント列車は論外。
新幹線に興味はないし、話題の豪華列車は雲の上のハナシ。
ま、なにごとも行き着くところまでいけば反動が出るから、やがては
「トワイライトエクスプレス」のような長距離列車が再登場・・・
するわけないか。

Diary右上の画像はまたまた無断拝借しています。



03 January, 2015  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』6回目の新年を迎えました。


午前中は青空。午後からは雪がちらつくお正月。

明日の天気予報を気にすることもないので、ひとつだけ、何がなんでも!の
番組をみたら、もうテレビに用はなし。
ぬくぬくした部屋で、ちびちび飲みながら食べながら、2年にわたって読み続け
ている歴史ものを開いては、うつらうつら。
この寒風の中で屋外の仕事に携わっている方々には申し訳ないけれど。


いつも詩誌や詩集をありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。
               


17 December, 2014 引っ越しました

  http://yatouga.sakura.ne.jp

難儀していたカウンターの設置がやっとできたので、本日引っ越し宣言です。
ついでにちょこちょこいじったので、画像が消えたりリンクが切れていたり、
思いがけないことが多々あるかもしれません。

よろしくお願いします。


          



Sunday, 07 December, 2014

 近々引っ越します

 来年2月でホームページのサービス終了。
ということで、またもあたふた引っ越しすることに。



Monday, 01 December, 2014  唐突

信号を待っている。電車を待っている。ぼんやり景色を見ている。
そんな短いぼんやり状態のときにかぎって、なぜか妙に、その人を思い出す。
ではなく、その人を思い出している自分に気づく。

なぜ「その人」なのかわからない。
似た人、場面でもないのに、唐突に。
ただ、きまって音信が絶えて久しい人たちだ。
なにかあったのでは?とも思うが、霊感なんてものは持ち合わせていないし、
連絡のしようもない。
なにごともないことを祈ってふり払う。


この時期、なにも気にしていなかった人の訃報が届く。



Thursday, 13 November, 2014  あらら…

ウィレム・デフォー、ブルーノ・ガンツ、ミシェル・ピッコリ。

  なんてすてきな面々。
  これはなおさら、ぜったい行かなきゃ。

と思っていたのに、またも見逃してしまった『エレニの帰郷』。
ま、数年ごとにアンゲロプロス特集と銘打って一挙に上映されるから、
そのうち出合えるだろう。

まずはスクリーンで観るべき世界。
とは言っても、特集の上映期間は一週間ほど。有休やズル休みを使っても
どうしても取りこぼしがある。
『旅芸人の記録』は数年かかってやっと観ることができた。

それまでの作品にも旅芸人たちの姿がちらちらあって、興奮冷めやらぬまま
詩に取り込んでいた。
けれど本家本元を観てからは、おおいに反省。拝借した言葉や場面を
ことごとく削った。削ってしまうと、なんにもない…。
つまりはイメージをなぞっただけで、詩になっていなかった。


アンゲロプロスにかぎらず、一瞬の光景、ふいに聞こえた会話などにも、
思っている以上に深く根をおろしてしまうものがあるようだ。
もっとも、気づくのはいつも書いた後。
なにくわぬ顔をして詩におさまっていて、あらら。


Wednesday, 08 October, 2014  月形樺戸博物館

   明治維新の動乱でうまれた多数の重罪人を収監するため、
   流刑地として未開の地・北海道に最初にできた国立の監獄

その樺戸(かばと)集治監の1881年(明治14)から40年あまりの歴史を展示再現
している「月形樺戸博物館」を訪ねた。

 
静かな館内を1階、2階とめぐり歩くうち、ふっと浮かんだのが石原吉郎の、

  無口で貧乏な警備兵(カンボーイ)が
  正直一途に空へうちあげる
  白く凍った銃声の下

開拓前の北海道と20世紀のシベリアではあるが、冬の過酷さ、囚人に対する扱いに
どれほどの違いがあるのだろう。
100年くらいでは、人の考えもやることもたいして変わらない気がする。


     


■今日ご紹介の2冊
・思わず噴き出したりニヤついたり頷いたりそうして、鼻の奥がツン。『真言の座』
 冨上芳秀さん

・隙のない装いの下から滲み出るもの。そのバランスも美しい。『龜裂』寺岡良信さん


Tuesday, 16 September, 2014  なにかとトラブル

8月の更新プログラムの適用によって問題発生・・・まさに。ぴったりはまってしまった。
ヘルプをみながらいじって、先日やっと復調。

が、My Yahooが新しくなったとたん使えなくなったYahooメールはあいかわらず。
受信件数は増えているのに、フォルダも、ページ内のどのボタンもまったく反応しない。
もうIEのリセットしかないようだが、いまのところ問題はYahooだけだし、
それよりなによりサーバーの引っ越し先を探すのが先決。
ああ、メンドクサイ。

そういう次第で、Yahooメールに連絡くださった方には申し訳ないのですが、
いまも開くことができません。


■今日ご紹介の詩集
・橋本ワールドのヒミツが見える気がして『長いノック』橋本千秋さん



Tuesday, 02 September, 2014 むむ…

先日届いたメールに、「サーバーがなくなるのでヨソへいってください」

このホームページ、私は、タダ、無料で使っていたけど、有料で使っていた人もいるはず。
それが一通のメールで、おしまい。
最初も迷いに迷って選んだから、むむ…だね。


大昔の、まだワードプロセッサーの時代。
やっと小型になり2台目も喜んで使っていたら、わずか数年後に生産終了。
「これからはパソコンをどうぞ」
以来、そのメーカーの天下に轟くパソコンはもちろん、家電製品もことごとく避け、
持っている人たちがどんなに自慢しようと見向きもせず。

ところが最近は、楽しい話題を聞かなくなってしまった。
そうなればなったで、ざまあみろ!と言うより、ちょっとさびしい。



Saturday, 09 August, 2014  しみじみ

  年をとると時間の経つのが早い。

こんどは、『詩遊』43の編集後記、冨上さんの言葉。


たまに詩や詩人のサイトをのぞくと、とても元気。活発。すごいなあ。
周囲にも熱心な人たちが多く、あれこれと誘ってくれるのに、「行かへん」
つれない返事をするばかり。

それなのに、もう8月!
ったくね。


■今日ご紹介の詩集
・たとえ微かでも誰にも灯りが見えますように『ひとの望み』 近藤起久子さん


Wednesday, 02 July, 2014 薬指

  親指、人差し指、中指、好きな作家を挙げるとき、最初に折る親指の作家だった

これは『Junction』91で、ガルシア・マルケスを語った柴田さんの言葉。

嬉しくなって、私も指を折ってみると、中指…を過ぎて、薬指。
でも、中指のスタニスワフ・レムに並べてもいいかな。


ずっと気になっている作家が、一人。
引用されることも多いし、内容も知ったつもりで、けれど、ちゃんと読んでいない。
読めばぜったい薬指以上になりそうで、だから、何気なく手がのびる日を待っている。


■今日ご紹介の詩集
・おりたたんでおりたたんで生きてきた人はとてもていねいに生きているのだ思う
 『翻訳』大家正志さん


Friday, 09 May, 2014  詩のセミナーなど、ご案内のこと

せっかく迷い込んで(?)目にしてくださったのに、私の書き方がまずいせいで
勘違いさせてしまうことがありました。
で、あらためて。

「こんど、こんなことがあるんですって」というだけで、申込先はここではありません。

チラシを大きく載せるのが手っ取り早いのですがそうもいかないので、
連絡をいただいたとき、申込先である個人の電話や住所をお知らせしています。
しかも、夜しか返信できません。

そんなつれないホームページですが詩の出合いにつながれば嬉しいです。


■今日ご紹介の2冊
・あたりまえがあたりまえであることを祈って『白をあつめる』神子萌夏さん

・日常の擦り傷、打ち身は思っている以上に深いのだと『ジャム煮えよ』坂多瑩子さん



Wednesday, 23 April, 2014  マルケス

ああ、きたか…。
そんな気持ちで、ガブリエル・ガルシア・マルケス死去の記事を読んだ。

はじめて手にしたのは「族長の秋」。
 あれ? え? 
誰が喋っているのかわからない。
現在のようであり過去のようであり、ん?
その仕組みに慣れてくると一気にのめりこんだ。
短編を漁り、ボルヘスに戻ったり、他のラテンアメリカ作家にも手をのばし、そうして
ついに「百年の孤独」を開いた。
が、うわさほどの驚きがなかったのは、やはり最初の「族長の秋」でおもいっきり
興奮したせいだろう。

クーデターで追われた各国の独裁者たちがひっそり集まっている場面は、
鴨井玲の描いた酔っ払いや賭博者たちの姿と重なってしまって、
もう、どちらがどちらだったか、わからない。
    

Saturday, 19 April, 2014  個人誌『夜凍河21』完成

2年ぶりの発行となったせいか、いざとなれば用紙がない。封筒もタックシールも
切手もインクの予備もない。
ほんとに何もしていなかったのだなあとしみじみ。

忘れ去られたころにひょっこり登場です。



Tuesday, 08 April, 2014  ベテランの詩

ひとりで読んでいたなら手を出さない、素通りしてしまうものも、講座のテキスト
となれば読まざるをえない。はじめの頃はかなり苦痛だったが、この頃になって
やっと、チャンスだ(でなきゃ永遠に読まない)と思えるようになってきた。

先日は、ベテランらしく平易な言葉で書かれた“読めばわかる詩”数編。
つっかえることもなく読み進み、繰り返し読むうち後味の悪さが残った。
  貧しげだから失敗者。片田舎に育ったから何も知らない。…。
過去を反省しながら、いたわりをみせながらの上から目線は、なるほどベテラン氏の
立ち位置なのだろう。

読み手に、共感を得られやすい詩と、開かれている詩。
その差、違いをぼんやり思っている。


■今日ご紹介の2冊
・やわらかさが、長編詩をより屹立させているような。『繭玉の中で息をつめて』
 佐伯圭子さん

・折り返し地点。そこは遙かに羽ばたいて行ける地点『岬』武西良和さん


Saturday, 05 April, 2014  個人誌『夜凍河21』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河21』の準備を始めました。


発行月を12月、1月、2月…と書き換えているうち、桜が散りかけている…。
これは、いかん!

めずらしく張り切って『夜凍河21』は4月中の発行をめざします。

          

Saturday, 08 March, 2014  プリンター

去年、潰れたプリンター(複合機)は旧式の手差し。
私にはこの方が都合が良いので同じタイプを買おうとしたら、ない!

この頃のものはコンパクトでいいなと思っていたのに、コピー用紙とハガキだけが
前提らしい。家庭用だから当然か。
けど、困る。
ワイヤレス機能も両面自動印刷も不要、背面給紙型でさえあれば、
と見つけたのは、できれば避けたかったメーカー…。
7年前とたいして変わらない値段も、電源を入れたとたんの思わず構えるほどの
騒音も、印刷時のこれまたすさまじい音も・・・だけど大切にするよ。


■今日ご紹介の詩集
・小さな石を耳に押し当てていたら聞こえてきそうな『石の夢』原和子さん


Saturday, 01 February, 2014  きょうの詩

黒猫ナナ」 たかとう匡子さん

風の音社発行『風の音第3号』


Tuesday, 28 January, 2014  いつもありがとうございます

これはぜひ読んでもらおうと詩誌からこっそり書き写していると、ほどなく、
その作品がおさめられた詩集をいただくことがある。
嬉しい。
私が好きになったものが、作者ご本人も気に入っていた。
そう思えて勝手に喜んでいるが、詩集の中でもやはりその好きな作品が
いよいよ好きになってしまう。

で、ときどき思うのは、自分が勝手に思い描いたイメージの中に他の作品もすべて
押し込めてしまっているのかもしれない。もっと大きな世界を描いているのに
狭小私サイズにしてしまっているのでは…。
合評の席で喋ったり、こういう場で感想を書いてみると、つくづく…。

ま、しかたがない。
私サイズで愉しんでいるとういうことでお許しいただこう。

忙しいふりをしてお礼ができていません。
ほんとうにありがとうございます。


Wednesday, 08 January, 2014  あるいは

トランクひとつだけの旅にあこがれて、一回り大きいものを買った。
が、帰りの荷物を詰めると持ち上げるのもやっと。
何も買わないようにしても、段差や階段のたびに悲鳴をあげ、いつしか
押入れの壁の一部になっていた。

 なにが入ってるの?
やけに重くて、ぐいと取っ手をつかんだら、バキッ! 
割れちゃった。
ズリズリ引っぱり出せば、映画やお芝居のパンフ、図録、大昔のガリ版刷りの同人誌。
アルジェリア、モロッコ、サマルカンドあたりの案内書…。

ついつい手にとって数時間潰したあげく、そのまま元の位置へ。

吸収したものと見果てぬ夢がごちゃまぜの宝箱。あるいは、ゴミ箱か。
アルジェは遠い。


■今日ご紹介の詩集
・いまごろ二本足の流民はどこを歩いているのだろう『塩と絆』生田裕子さん


Friday, 03 January, 2014  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』5回目の新年を迎えました。

最近は、一日、一週間、一ヶ月がまたたく間に過ぎて、このホームページも
更新なしの月もたびたび。
それでもカウントが進んでいるのは、どなたかが訪ねてくださっているわけで、
こりゃぼんやりしていられないな、と嬉しく思っています。

いつも詩誌や詩集をありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。


Sunday, 29 December, 2013  こんどは

この暮れも暮れになって、プリンターが故障。
前日までなにごともなく終了し、翌日に電源を入れたとたん、ガガガー!
 な、なにごと!?

音の出たあたりからして本体の故障のよう。
アフターサービス期間終了製品になっているし、買い換えろってことかしら。

そう言えば初代のダイナブックが潰れたのも、数年前の暮れも暮れ。31日の夕方。
当時はネットオークションに出品していたから、元旦のチラシを握って量販店へ
駆け込み、この一番安いのを!
のハズが目移りしてしまい、結局、2代目ダイナブックをさげて帰ってきた。

こんどはチラシを握って走るほどではないものの、個人誌発行がまた遅れそう。
と、ちょっと言い訳。


Wednesday, 09 October, 2013 
 ご案内 永井ますみ 詩朗読きゃらばんで出会った詩人たち№1 11月21日(木)
      
…色々な地域に行って色々な朗読を体験してきました私が、このような会をいたします。
難しい詩ばかりではなく、耳にも優しい詩を選んでおります。詩を書くに人も書かない
人にも詩の心を届けたいとの思いです。…。


◆プログラム 司会:玉川侑香

1.関西の詩人たちの朗読(1人1作3名まで)
  早いもの勝ちです、永井まで申し込んでください。

2.有馬敲さんの詩朗読とギター演奏と歌
 詩朗読:有馬敲
 ギターと歌:丸岡マルコ淳二

3.永井ますみ 「弥生の昔の物語」を読む
 解説朗読;神田さよ
 ギターコラボ:門脇康一

◆2013年11月21日(木曜日) 13時30分開場 14時開始~16時30分頃

◆神戸芸術センター
 阪神・阪急・JR三宮駅からバスで石屋川方面行き(90・92系統)布引バス停下車すぐ

◆会場費 1500円

◇すべての連絡先 永井ますみ 
  http://www.geocities.jp/imasumi2003/

 席数に限りがありますので、必ず連絡を入れて下さい。

・・・以上、案内より。



Sunday, 29 September, 2013  訂正あれこれ

先日ご案内の会場名や電話の市外局番の間違いを訂正しました。

*10月20日(日)詩のフェスタひょうごの会場名 → ラッセホール

*神戸市の市外局番 → 078

ずいぶん長いこと間違えたままで、失礼しました。


作品のタイプミスも相当あり、指摘されたり、気づいた時々に訂正しているものの、
つい最近になって、詩集名の間違えを発見! 冷や汗どっさり!
ほんとうに申し訳ありません。



Tuesday, 17 September, 2013  本人だけは…

「とりあえず」が溜まって、ぐちゃぐちゃの押入れ。
「そのうち」が数カ月になると部屋にはみ出し、そこいらのものと混じり、それでも
見ないふりしていたら、図書館から借りた本が行方不明になって、これはマズイ。
頭痛にもめげず、ポカリスエットを飲み飲み、休日をまるまる使ってお片付けしたのは、
暑い頃。

これからはちゃんと元の場所に戻す。
素晴らしい決意のおかげで、まだ今のところ、さっぱりしている。
…と思う。


■今日ご紹介の詩集
・くすくす笑いながら明るくかろやかなグラスを覗くと、なにやら様子が変わる
 『魔法の液体』 山口洋子さん



Thursday, 05 September, 2013  虹


強風と土砂降りだった昨日。
午後遅くになっておさまり、安心して会社を出ると、おおー!
虹がくっきり。

ふだんなら言葉をかわすこともない通りすがりの人たちと、
 きれいですねえ
 撮れました?
 二重になってますよね


きれいな弧を描いて、地上近くになるといよいよ色が濃くなっている。
 こんなの見たことない!
 なんかイイコトありそう!


バタバタしているかショボクレているかの日々に飛び込んでくるのは、洪水や竜巻。
またもやキナ臭いニュース。

ほんとにイイコトがあればいいな。


Thursday, 11 April, 2013  うつむく人々

電車を待つ間も、電車の中も、歩いていても、うつむいたまま手元は忙しい。
周囲の話では家の中でも手放さず、パソコンは開けないしテレビも観なくなったとか。
いまだにガラケーの私は、若い人たちが持っているものを見ては、それはなに?
どういうもの?うるさく聞いてもみなさん親切に説明してくれるから、ほーほー。
が、さっぱりわからない。

電車の中の半分以上のうつむいている人々、あわてて降りる人々をながめながら、
面白い本に没頭しているときの自分の姿もこんなふうかと、なんだか可笑しい。


■今日ご紹介の詩集
・甘い響きをもつ祈り。ほんとうはとても厳しいものだと思う『ひくく さらに ひくく』
 北村真さん


Sunday, 24 March, 2013  オドロキモモノキ

詩集は自費出版、と思いこんでいる私。
なので、1年に数冊の詩集発行とか、毎年発行していると聞けば、なんてお金持ちなの!
羨ましさ全開の驚き。
その一方で、10年ぶり20年ぶりの第2詩集発行との話には、絶句の後、よくぞ
よくぞ詩を手放さなかったものよ。
同時に、詩集には採られなかった詩の量、採らなかった勇気に驚く。
もっとも、先輩曰く「テーマが違うからあれは別の詩集に」
そういう戦略と知っても、はあ~。

定期発行の詩誌をいただくたび、え!もう出たの?
驚きの中味は、3割がきちんきちんと発行している熱意に。7割はその数か月間
ぼんやりしていた自分に気づかされて。
しかし、せっかく驚いて気づかされてもそこから先がないのが私。
うーむ。

と、ぼんやり外をながめれば、サクラがちらほら。


■今日ご紹介の詩集
・背負ったものの重さを受け止める真摯さが生硬な言葉を呼ぶのか『海をひらく』
 大西久代さん


Friday, 08 March, 2013  「ゴジシンハイカガデスカ」

  いつも講師に質問するたび、「あなた自身はどう思いますか?」
  そればかりで、とうとう「ご自身はいかがですか」という詩を書いた

講座の後、メンバーの話にテーブルを囲んでいた一同は大笑い。

素朴な疑問にしろ、肯定あるいは否定を期待しての問いにしろ、答えとして与えら
れたものはひとつの例にすぎず、自分自身で探すしかないだろう。


7年ほど前、また詩が書けますように詩が戻ってきますようにと
「バラノミ、ミノラバ バラノミ、ミノラバ …」思わず知らず唱えていた。
苦しいときの神頼みでしかない私でも、詩が戻り詩集を出せたとあって、いまも
いくつかの呪文を常備(?)している。

去年、思いがけないものを読み、私はなにを書いてきたんだろう、これで詩の
つもりだったのか。珍しく落ち込んだ。
やっと浮上して書いてみたら、なんのこっちゃ。
ちっとも変わっていない。落ち込んだ甲斐がないと嘆いているうち、気づけば
「ゴジシンハイカガデスカ ゴジシンハイカガデスカ …」

件のお仲間は詩をものにしたが、私はまだ呪文の段階。


Tuesday, 19 February, 2013 脅威

先日、家人が発熱と強烈なピーピーで、すわ、ノロかインフルか!?
嘔吐はないからノロではなさそうと思いながらも、食器は熱湯をかけ、着替えは漂白剤に
浸け、トイレもゴシゴシ。うがい・手洗いも念入りにして用心。
3日目にやっと病院へ送り出したが、後回しにされ続けたので「診察券ほって帰ってきた」
 ……。
私もべつに異常はないし、それだけ怒れるなら大丈夫だろう。
予想通りじきに恢復。

会社では、ただの風邪ひきやインフルエンザで、一人が復活すると一人がダウン。
鼻声の人も少なからず。

中からも外からも。空からはPM2・5。
逃げ回るしかないね。


Friday, 08 February, 2013 届く範囲

オレンジ色でも朱色でもない、きれいな柿色のバッグ。
その色味に一目惚れした。
ちょっと重たいが、大きさもマチもポケットの深さも金具の艶も申し分なし。
だれもが知っているブランドではなさそうだから、カブる可能性は低い。
そうして休ませながらも、傷つき、くすんでいるのも味わいと使い続けた。

持ち手の部分に切れが入ったとき、買ったお店やリフォーム店に持ち込んでみたが、
あまりいい顔はされなかった。
まだ使う気?みたいな。
ま、モノを大切にする性分とは言い難いものの、私なりに丁寧に扱ったつもりだった。
しかし世間では、一生モノではないから修理する価値はない、ということらしい。
で、修理もせずにまだ使っていたら、去年、いよいよ持ち手がちぎれかけて諦めた。

それに代わるものを探しているが、これは!と近づけば手がひっこむ。
背伸びしてやっと、なんとか手が届く範囲が見当たらない。


■今日ご紹介の詩集
・日々の何でもないことをじっくり見つめるとき詩がはじまる『家族の風景』近藤香織さん


Saturday, 26 January, 2013  きょうの詩

◇「」 橋本千秋さん

火曜日の会発行『火曜日第110号』より 


Wednesday, 02 January, 2013  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』4回目の新年を迎えました。
これはぜひ読んでもらわなきゃ!の詩もたまっています。
発行年や詩人の経歴(?)にかかわらず、詩人のまなざしをたどって、ああ、こんなふうに
詩は生まれているんだなと感じた作品ばかり。
の、つもり…。

今年もよろしくお願いします。


                              
Thursday, 29 November, 2012  コツコツ、ボチボチ

先日のメールに、「コツコツやっているね」
同じ言葉を何人かにもらったことがあり、そうか。私はそんなふうにみえているんだな。
商業誌の購読はしない、詩(人)の世界にはあまり近づかない、気の利いた評も書けない、
どこにも所属しない、読めない、書けない、お礼もしない……。
しかも、有名人の詩だけが詩ではないだろう、などとエラそうに思っている。
自分の狭い世界の好きなものだけ。
となれば、「コツコツ」だね。

ひさしぶりにホームページを更新したせいか、リンクがおかしな具合になっていた。
直したつもりでいるけれど、さて??
こちらもボチボチと。



Sunday, 25 November, 2012
  嫌われちゃった

講座を休んでは再開してとちょろちょろしている間に、すこし顔ぶれが変わっている。
たまたま迷いこんでしまった、とか、詩を書いているので、とか、いまどきの詩を
読めるから、とか、老化防止のためにとか、参加のきっかけは様々。
聞いてはいないが、辞める理由もまた様々だろう。

最近、ここしか曜日があわなかったということで席について以来、数年参加して
いた方が辞めた。
「詩を創っている人たちが嫌いになった」
ブログを読んで、ああ、ワタシだわ!
ちょうど再開して数か月ごいっしょした後のことだし。
きっと、傷つけることを言ってしまったのだ。
わかったふうなエラそうな態度が腹に据えかねたのかもしれない。
思い当たることはたくさんある。

ただ、「詩が」嫌いになったわけではないようなので、すこしホッ。


■今日ご紹介の詩集
・わたしたち。その複数形が持つ底深いもの、肌触り、伸縮する距離『岩根し枕ける』
三井喬子さん



Wednesday, 14 November, 2012  少しずつ

自分が書いている、書いてきた詩がバカみたいに思えて、ひたすら家と会社を
往復していた。
それでも時がたつと、さっと目を通しただけの詩集や詩誌をもう一度広げ、じっくり読み、
やっぱり詩って、いいな。
詩を読む講座に半年ぶりで参加すると、なんだこりゃ!?もあって、やっぱりおもしろい。

先日の講座で、「こういう感覚のひとは信用できる」と言ったところ、その感覚という
ものを具体的にと言われて、詰まった。
いいな、おもしろいな、だけではダメなんだな。


■今日ご紹介の詩集
・詩がうまれる瞬間さえみえる気がする『三月十一日から』柴田三吉さんと草野信子さん


Wednesday, 05 September, 2012 ご案内 現代詩セミナーin神戸2012

       言葉と現実

昨年の3・11以後、多くの詩や発言が飛び交うなか、詩は、言葉は、いつにあっても、
時代の生々しい現実にどのように向き合うか。3・11を特殊な、あるいはひとつの事件
性のなかでのみとらえるのではなく、より普遍的な、詩の危機意識の問題として戦後
60年をも対象化させながら、みんで考えたい。

○パネリスト 藤井貞和、金時鐘、細見和之、たかとう匡子

〇司   会 倉橋健一

◆2012年11月3日(土)午後1時~ 6時 (受付12時30分)

・・・以上、案内より。

なお、参加ご希望の方は、こちらまでメールをお願いします。折り返し、申込先詳細を
ご案内いたします。
        


Thursday, 09 August, 2012  芸術団体半どんの会「現代芸術賞」

大橋愛由等さん『明るい迷宮』が兵庫県の平成23年度芸術団体半どんの会
「現代芸術賞」を受賞されました。
おめでとうございます。

身近の方、しかも大恩人が受賞されて、なんだか私まで興奮。
お祝いの席には行けなかったので、ひとりで乾杯していました。


Saturday, 04 August, 2012  スニーカー

  きれいな色だなあ。
オリンピックを見ているはずなのに、目を奪われるのは選手の足元。

2年前、スポーツクラブの申込みをしてハタと気づいた。
  スニーカーがない!
大丈夫ですよと言われ売り場に案内されたが、スポーツとはまるで縁のない私からすれば、
どれも目をムくお値段。
それからは周囲の人に尋ね、あちこち行って試し履きまでするものの、どうもピンとこない。
その間にもAmazonやJavariで取り寄せては返品を繰り返していたら、当時書いた詩に
「スニーカーを買わなければならない」の一行が。よほど気になっていたようだ。
が、なくては困るものでもないし、その後忘れるともなく忘れ…、時は過ぎ…。

それがこのところのオリンピックのせいか、先日、なにげなく買った。買えた。
スニーカーなんて、じつに12年ぶり。
嬉しがってさっそく通勤に履き、自分の足元を見ていて、あれ??
  探していたのはジム用だったのに…。
ま、いいか。


■今日ご紹介の詩集
・陽射しや風、楽器、うねる波、重い言葉、言葉にならないものを受け取ってなお静謐な
 『緩楽章』清野裕子さん


Thursday, 28 June, 2012  この頃

朝方であったり、夜更けだったり、夢をみていて目を覚ますことが多い。
こんな夢だったと喋ろうとしても内容は思い出せず、じんわり残っているのは、
あまりよくない後味ばかり。

  辿りつけない。
  回り道をしているとわかっているのに、ますます違う道に入り込む。
  ああ、もう夕方になった。とか、もう二日もたったから無理かもしれない。
  どうしよう。

たいてい、そういうかんじ。
気が小さいんだな。


20年以上も前。
一日中、重い海霧(ガス)に包まれ、現れては消える一瞬のセンターラインを頼りに
病院と家を往復していた日々。
すでにどこか別の世界を走っていて、もうこのまま辿りつけない、帰れないのでは?!
不安が7割になりかけたころ、やがて見覚えのある灯りに、ほっ。
そうして安心するせいか、悪化する一方の病人の傍らで、ついウトウト。
周囲の物音は聞こえるし、なにか言われて返事もしているのに、軽い金縛り状態で
身体は動かない。いま動いたら解放されるのにと思いながら、ずりずりといやな夢に
ひきずりこまれていく。

後になって、私がみていたのは“私の夢”ではなく、病人のみている夢。それをなぞって
いたにすぎないと。
詩なんか書いているならこういうことも覚えておけと、おしえてくれたのだ。
そう思うことにした。

なのに、いまも辿りつけない夢ばかり。
進歩がないな。


Friday, 15 June, 2012  大橋さん出版記念会

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、4月15日、大橋愛由等(あゆひと)さん
『明るい迷宮』の出版記念会でした。

神戸のペルシア料理店に集ったのは、詩人、俳人、歌人、川柳作家、小説家、編集者、
翻訳家、舞踏家…とんでもない顔ぶれ。そのスピーチも広く深くて、茫然。


  思い出せないのは
  茜色の間接話法
  だったはず
  それは
  いくど再発行を
  繰り返しても
  もどってこない
  だから と
  いまも
  しゃがみ
  たたずんでいる

阪神淡路大震災をテーマとした句集『群赤の街』から12年を経ての詩集。
多彩な名詞使いは、俳人だから?と、つい思ってしまうが、それから
醸し出されるイメージの重なりもまた迷宮のよう。
やっと、かさぶたになってきたところを、様々なできごと、打ちのめされた人々や町の姿が、
剥がす。どれほどの時間が経っても納得などできない。答えはない。立ちすくんだり、
彷徨うしかない。
けれど、その彷徨こそがエネルギーのようだ。
記憶は褪せるどころか豊かに発酵し続けている。だから迷宮を「明るい」と言えるのだろう。


ところで、大橋さんは俳人でもあり、スペイン料理店のオーナーでもあり、FM放送のディス
クジョッキーでもあり、と肩書きを並べたらあと2、3行は続きそうなとんでもないマルチ
人間なのですが、私にとっては初めての詩集の産みの親。出版社「まろうど社」社主。
つまり大恩人。

大橋さん、第一詩集『明るい迷宮』ほんとうにおめでとうございます。


Sunday, 10 June, 2012  気配

この数ケ月の、とりあえず目の前のことをこなすだけの日々のなかで、くっきり残るのは
訃報ばかり。
こんどは、ブラッドベリか。

 草の匂い。日なたの匂い。土埃の匂い。雨が地中に浸みこむ匂い。風の匂い。
 ぬかるみの匂い。寂しい匂い。
ずいぶん昔だが、レイ・ブラッドベリを読みかえしていたとき、私は「におい」に
反応しているのだと気づいた。
気づいてみれば本にかぎらず忘れがたい作品、好きな作品として挙げるものには、かな
らずなにかの「におい」がある。かさねてしまっている。汗や黴の臭い、煙、動物園、コール
タール、機械油、掘り返された畝、白墨、霧や潮や、雪、死んだ人の臭い。
それらを嗅いだときも、舞台となった宇宙や架空の町はもとより、訪ねたこともなければ、
これから先も行く機会はないだろう土地、そこに住む人々、手の形を親しく思い出す。

それにしてもこの頃の消臭剤・芳香剤の宣伝をみていると、人間の臭いどころか
「気配」まで消されそうで、なんだかこわい。


Sunday, 13 May, 2012  うっかり

机まわりの片付けも終えて一服していたきのうの午後。
 ん?
 なにか用事があったような? 
 !! 
気づいたときはすでに遅し。

日本詩人クラブ関西大会に参加するつもりだったのに。
天野忠についての講演・対談があるというので、早々に申し込みをして、会場までの
アクセスも珍しくちゃんと確認していたのに。
そのために休みをとったのに。

年が明けて間もなくからバタバタ続きで、そのまま例年のバタバタに突入。
などと言い訳してみても、要は忘れっぽくなったということか。
なんともはや…。


Friday, 20 April, 2012  夜の鳥

アントニオ・タブッキ死去の記事を切り抜こうとしていて、忘れた。
まだ古新聞の中にあるのかもしれないのに探していない。
どこか、そのままでいい、と思っているところがある。

やはり「インド夜想曲」が出発だった。ただし、映画(ビデオ)から。
ビデオを観て観て原作を読み、またビデオを借り、原作を繰り返し読み…。
ある日、借りに行くと貸し出しになっていないのに、ない。お店の人が二人がかりで
探してくれたものの、わからずじまい。
後でもらった電話によると「修復不可能のため廃棄になりました」
私のせい?!

DVDが発売されるすこし前から、それまで書けなかった詩が書けるようになったが、
どうみても、どれもこれもタブッキの影響そのまま。
それでも鳥ははばたき、このごろになってやっとナイチンゲールから私なりの
夜の鳥になってきた。と思いたい。


■今日ご紹介の詩集
・幼い日の、あるいはもうひとりの私に命名された死体。姿態。詩体?『死体と共に』
 山中従子さん



Wednesday, 18 April, 2012  木村さん出版記念会

4月7日、木村透子さん『黄砂の夜』の出版記念会でした。

宇宙。
宇宙空間を描いていながら、それがいつの間にかひとの精神の広がり・内的宇宙になり、
融けあい…。ふと初期のバラード作品を思い出すけれど、「あなた」あるいは「わたし」は
近未来ではなくたしかに現代を旅している。やわらかく。

  世界の水辺で
  母たちは頭に水を満たした器をのせ
  陽気に家路をたどる
  ・・・・
  もう一方の腕は
  子どもたちのために
  やわらかな曲線を
  描く

汚染物質にまみれた黄砂。としか思っていなかった私自身の想像力のなさを発見した
つもりでいたところ、「理系ならではの表現」といったスピーチもあって、ふーむ。
またも発見した気分で、調子にのって二次会へ。
大御所K氏の門下生・弟子(?)のみなさんの中に、外様にもならない私もまじることが
できて楽しい時間でした。

木村さん、第二詩集『黄砂の夜』ご上梓おめでとうございます。



Sunday, 15 April, 2012  第4回小野市詩歌文学賞

岬多可子さんの『静かに、毀れている庭』が第4回小野市詩歌文学賞を受賞されました。
おめでとうございます。

講座のテキストとして読んだ作品で、一年に一度、これは手に入れなきゃ!
一目惚れして詩集を探し回ることがあります。
岬さんの詩集もそんな一冊。



Saturday, 17 March, 2012  ブルートレイン「日本海」も消えた

一度だけ「日本海」に乗ったことがある。
当時の私には、スカイメイト(って、いまもあるのかしら?)でも
飛行機など、トンデモナイ。
寝台特急でさえ十二分に贅沢。
でも時刻表を見るたび寝台特急のマーク☆が飛び込んでくるし、
それはそれは特別に思え、いいなあ、乗りたいなあ。

で、ついに!
  話のタネに。
わざわざ言い訳をして青森から乗った。

カメラは持ち歩かないし記念になるようなものには無関心だったから、それがA寝台で
あったのかB寝台だったのか、どんな内装で、寝心地はどうであったか、
まるで覚えていない。
ついに「日本海」に乗った、というだけで、ちっとも話のタネになっていないのが私らしいところだ。

長いお役目を終えて今後は年末年始の臨時列車になるという。
列車も人間も同じだね。
 (画像は無断拝借しました)


■今日ご紹介の詩集
・夢物語にみえるのは自分の感覚に忠実であるから。ここはけっして「夢」ではない世界
 『窓都市、水の在りか』瀬崎祐さん



Monday, 12 March, 2012  個人誌『夜凍河20』完成

このたびのゲストは、松川穂波さん。

いつか、いつかぜひ『夜凍河』へ、のお願いから数年。ついに実現しました。
松川さん、ありがとうございました。



Thursday, 08 March, 2012  第22回日本詩人クラブ新人賞

大野直子さん『化け野』が第22回日本詩人クラブ新人賞を受賞されました。
おめでとうございます。


大野さんも、果敢に攻めているといった印象のおひとり。
それだけにこうして朗報を耳にすると、なんだか私まで嬉しいです。
  

Wednesday, 07 March, 2012  ご案内 第2回「萩原朔太郎記念とをるもう賞」募集

  求む!二十一世の朔太郎

◇対象 2011年4月から2012年3月末までに発行された詩集(奥付発行日年月)
    私家版も可。

◇応募先・問合せ先 NPOやお文化協会「とをるもう賞」実行員会
      http://www.yaobnk.com/twourumou.htm

・・・以上、案内より。(一部抜粋)

応募方法等、詳しくは上記◇応募先・問合せ先 NPOやお文化協会「とをるもう賞」
実行員会へ。


■今日ご紹介の詩集
・ていねいに日常をすくいあげると見えてくるものたち『マリオネットのように雨は』
にしもとめぐみさん



Sunday, 26 February, 2012  個人誌『夜凍河20』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河20』の準備を進めています。

『夜凍河』は20号で卒業。
ぼんやり思っていた。
なにしろ唯一の自慢である三つ折り用紙は製造中止。もう手に入らない。
キリもいいし潮時かな。

ところが。
同じタイプの用紙をみつけてしまった。しかも、たとえパンフでも一国一城の主じゃない、と
おだてられた。たしかに、いまはどこにも所属していないし、入る気もないし。
で、続けることにした。単純。

気持ちだけは新たな『夜凍河20』、敬愛する詩人をお招きして3月発行予定です。



Monday, 13 February, 2012  ああ!

テオ・アンゲロプロス死亡の記事を目にしたとき、おもわず声が出た。

へたり込むような気分は、スタニスワフ・レムの死以来だ。
一方的に知っている(つもり)にすぎないが、いま、この地球儀のこのあたりで、
同じように呼吸している。同じ時代を生きているんだわ…。
そう思えるだけで嬉しいのに。
作家なら、まだマルケスがいる。しかし映画監督となれば、幾人かの名前が浮か
んでもアンゲロプロスと同列にはならない。
まだまだ新作を見ることができると思っていた。


  遠くを、黄色い合羽を着た男たちが過ぎて行く。


      

         「霧の中の風景」

    旅に出たときは幼かったあの姉弟、どうしているのだろう。



Wednesday, 01 February, 2012  冬

急用でしばらく帰省していました。
いただいた案内やメールにお返事ができないままで失礼しました。

冬の北海道往復はいつも祈るような気持ちになります。
行きは、吹雪だったら…。他の空港に降ろされたら…。
なにしろ新千歳空港に降り立ってから、さらに150キロも走らねばならない。
雪が少ない方面とはいえ、冬道の運転などとてもとても。
帰りは帰りで、ここは晴れているけど空港あたりは大丈夫だろうか…?


まだ「千歳空港」だった頃。
吹雪の中をなんとか着陸したものの、列車ダイヤも大混乱。それなのに、一人の男が
駅員さんに向かってわめいていた。
「どうしてくれるんだ!会議に間に合わないじゃないか!なんとかしろ!」

きっと、ああいう男がなにごとも「想定外」で済ますのでしょうねえ。

今回は遅れもなく、明日から大雪、の予報通り降り始めた雪の中を逃げるように
帰ってきました。



Sunday, 08 January, 2012  呼吸

授業で、あてられたらどうしよう! 
(私だけは先生の目に見えませんように)
他の人の名前があがるたびホッとするのも束の間、下をむいたままドキドキ。

内気でおとなしい小学生にもどっていたのが、きのうの講座。
3週間前にもらったテキストだから読む時間はたっぷりあったのに。

今回の詩は最初の数行でつまづき、何度か読み返すも先に進めず、こりゃあかん。
時間をおいて挑戦し、やっとのことで5編ぜんぶを読んだ。
そうして順番をばらばらにして繰り返し読むものの、読み終えれば、はて?

どこか、なにかしら滲みでるものに反応するだけなので、こんなふうに部分部分の言葉は
残っても、詩の匂いや体温のようなものを感じることができないとなればお手上げ。降参。
あてられませんように…。

しかし。
どうも呼吸があわない、つかめないと思いながらとりあえず齧ってみるのも訓練。

おお!新年早々、なんて殊勝な私でしょう。



■今日ご紹介の詩集
・それでも、時はよどみなくながれる。ふと立ち止まれば『光ふる街』内田正美さん



Monday, 02 January, 2012  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』3回目の新年を迎えました。
今年もよろしくお願いいたします。

きょうは、
青空の下を雪雲が流れてきて、霙を落とし、また流れて陽がもどり。

どんな一年になるのでしょう。

詩が、だれかの心にとどきますように。



■今日ご紹介の2冊
・五感すべを集中させて観る。感じる。そしてちいさな声で語る『静かに、毀れている庭』
 岬多可子さん

・いつも迷いあふれながらも、母から娘へ流れつづける『川の構図』横田英子さん


                              
Thursday, 22 December, 2011  コラボ

 ミルクパーパー ミルクパーパー

くるくる回る文字のアニメーションや音楽とともに朗読がはじまるのは、坂多瑩子さんの
電子詩集『ミルクパーパーの裏庭』

ふうわり暖かい中に、かすかにヒヤリ、ギクリが微妙に混じる坂多さんの世界が、より一層
感じられて楽しい。
いまでは画面を見ていなくても、ミルクパーパーもスケッチブックいっぱいの木も裏庭も、
目に浮かぶ。聞こえる。

こんなふうに上手に読めたり、読んでもらえて、しかも映像と音楽の力を借りたら私の詩も
ちょっとはマシにみえるかも!
なんて、つい。

ことばと音楽と映像のコラボレーションのePubブックストアはこちら。
    ↓
 http://www.epub-store.jp/index.php?main_page=page_2

今日現在、坂多さんの他に中井ひさ子さん、水野るり子さんら5名のみなさんの詩集が
あります。


■今日ご紹介の詩集
・水。光。そして砂の粒子に誘われ、まぎれて旅するのは内的宇宙『黄砂の夜』
 木村透子さん



Sunday, 04 December, 2011 年も

午後遅く、神戸大丸を出ると、どこから湧いてきたんだ?!の人、人、人。
駅への南北の道をたどろうとしても長いあいだ足止めされて、やっと横断。

そうです。『神戸ルミナリエ』の点灯時間が近づいていたのでした。

開催されて2年めに行列の最後尾くらいに並んでみたものの、やーめた。
以来、この時期にうっかり元町界隈に行くことがあっても、そそくさと帰ってくる。
17回めの今年もテレビでちらと見ただけ。
いまも震災がらみの行事には関わりたくない。
妙にしつこいところは、こういうところにも発揮されているようで我ながらうんざりするが、
しかたがないね。



Friday, 11 November, 2011  きょろきょろ

美術館の帰り、上り坂の溝いっぱい落ち葉が詰まって鮮やかな帯のよう。
おもわず、カシャ!
小雨の中を30分以上も歩いていたから、なんだかご褒美をもらった気分。

長い間、車通勤で、狭い空間ごと移動する遮断された面白さがあったが、いまは
川をのぞいたり、よそさまのお庭を眺めたり、わざわざ私道を通ってみたり。
見えるものが違う。
風景にまぎれるにしても、まぎれかたが違う。
それを面白がっている。


■今日ご紹介の詩集
・打つ。撃つ。目をそらさず振りおろし続けるその手で押し広げる『化け野』大野直子さん



Thursday, 10 November, 2011  寺岡さん出版記念会

11月6日寺岡良信さん『凱歌』の出版記念会でした。

2001年の第一詩集から5年で第三詩集という旺盛な創作意欲。
きっと、毎月の読書会・合評会をはじめ、詩人を招いての勉強会や朗読会も活発に
行っている「メランジュ」同人であることが大きいのでしょうね。

そのメンバーはもちろん、同人ではないけれど自由に出入りしている詩友、俳句の世界の
方、詩に関係があってもなくても近くからも遠方からも駆けつけた方々、みなさん論客揃いで
さながら合評会ふう。
とても刺激的で楽しい時間でした。

丹念に華麗な装飾を施した鎧をまとっている“寺岡詩”。
そのように押し出したものを思う。

寺岡さん、『凱歌』ご上梓おめでとうございます。



Sunday, 06 November, 2011  きっと、どこかで、

11月なのに、この暑さ。
先月、急に冷え込んだとき出したコート類、いまは見るだけで暑苦しい。
そこへ、おさがりのダウンも届いて、もう部屋の中はわやわや。

以前、ダンボール3箱の服を古着屋に持ち込んだことがあった。
ところが、大きいサイズならまだ価値があるなどと言われ、ガソリン代にもならず。
それ以上にガッカリしたのが、そこの服の扱い方だった。
古着の山に埋もれていたらそうなる、と思おうとしてもどうにも許しがたい。

で、ネットオークションを始めた。
私にはできなかったけれど、きっと、どこかで、だれかがこの服や靴のいのちを
まっとうさせてくれるだろう。
なんともムシのいい話ではあるものの、気にいったと言われればやはり嬉しいし、
うしろめたさも和らいだ。そうして、すっかり身軽になった。

…はずだったが、いつの間にかまた押入れがいっぱいになりつつ。

業者やお役所でなく、もっと小さな窓口を通してお役にたてられたらと探しているところです。


■今日ご紹介の詩集
・私たちって、いったい何なんだろうとつぶやきながら拾い上げる『愛のかたち』
 永井ますみさん



Wednesday, 02 November, 2011  どっさり

今年も関東からお米が届いた。

夏頃の電話で、「貰ってくれる?ほんとに送ってもいい?」と言われたとき、
もうこのトシだもの平気よと言いながら、声が震えてしまいそうだった。
検査結果によっては、焼却処分するしかないかもしれない。
いつも送っていた中には、いらないと断られた。
そんな話を聞きながら、一年間、会社勤めのかたわら丹精込めたものが
むざむざ捨てられるのかと思うとたまらなかった。

ガンバロウ。復興支援。なにができるか。
どっさり見聞きするコトバはどこに結びついているのだろう。


■今日ご紹介の詩集
・華麗な鎧をまとったような、しかしそこでしか語りえぬもの『凱歌』寺岡良信さん


Wednesday, 26 October, 2011  触る

赤ちゃんのぷにぷにした腕、光沢のある生地はもちろんだが、ザラザラした感触のもの
にもさわりたくなる。
コンクリート壁。岩。石畳。焼き物。太い幹。つい手がのびる。
わけても冬の街路樹の木肌には、手袋を脱いでまでさわってしまう。
ゴツゴツして冷たい。
うっかりすると血が滲みそうになるし、手がかじかむだけなのに、さわらずにいられない。

古い高架下商店街を歩いていたときのこと。
かつて店舗だった一軒で、崩れ落ちた壁の下から積み上げられたレンガが
剥き出しになっているのを見たとき、おもわず、そのレンガを撫でてしまった。

じつは、空き店舗を利用した現代アートの展示場。
それが目的で入ったのに、かんじんのアートは…覚えていない。


■今日ご紹介の詩集
・鳥獣虫魚たちのふるまい、ヒトのふるまいをみつめながら一途に『けもの道 風の辻』
 釣部与志さん



Saturday, 22 October, 2011  第11回中四国詩人賞

小野田潮さん『いつの日か鳥の影のように』が第11回中四国詩人賞を受賞されました。
おめでとうございます。
詩集を読んで、知らないなりにその詩人の姿をうかべていることがある。
姿・格好ではなく、喋り方や雰囲気、といったもの。
で、じっさいにお会いすると、あ、やっぱり(そうだと思った)。
反対にお会いするのが先で、あとで作品を拝見しても、あ、やっぱり。
幸か不幸か(?)まだ裏切られたことがない。

小野田さんには一度、お会いしている気がする。
ああ、やっぱり。詩集のイメージ通りだと思った覚えがあるものの、愛想はわるいし礼儀も
わきまえない私のこと、まともにご挨拶もしなかったような。
なのに、個人誌を出すようになって真っ先に送り、いまも勝手に送りつけている。



Tuesday, 11 October, 2011  はじまり

前回の最後の講座では、無記名の、短い詩ばかり八編を読んだ。
知っていたのは一編だけ。
多くの詩の中にあっても(あったからこそか)、それだけがボキボキと骨が折れるような音が聞こえた。

他には、ここまで大上段の構えはいまは恥ずかしくて書けないと思ったり、障害によって
こんなふうに聞こえているんだなとか、この透明感はきっといまどきの若い人だろう。
あるいは、さりげなくいかにも詩らしい詩。あるいは、職人技!など、いろいろ。
中でも、つまらない詩だとさんざん言いたいほうだいに言ってフタを開けたら、なんとま。
ある著名詩人の詩。
もし、最初に“名前”をみていたら、つまらないようにみえて実はなにかあるにちがいない、
きっとあるはずだ、などと思ったのではないか。
やはり“ブランド”に左右されていることを思い知らされた一日だった。

後期の講座がはじまり、ひさしぶりに初回から参加することに。
さてさて、どこまで詩と向き合えるだろう。



■今日ご紹介の詩集
・水や夜、微睡、あるいは日射しの中をたゆたいながら醒めた視線の『海の よるの』
 遠木順子さん



Thursday, 06 October, 2011  もう!

先日、コンビニを出てなにげなく横の窓を見ると、
 クリスマスケーキご予約承ります

もうそんな時期なんだ。

きのう、健康診断の用紙をながめていたら、印字されている名前の後ろに、
 〇〇歳 24年3月31日現在

もうそんなトシか。
納得しかけてムカッ。そりゃそうだけど、まだ違う!

いつも堂々と自分の年齢を言えるようでありたいと思っているし、そうしてきたつもり
だったのに、たったひとつの差にこれほど反応してしまうとは…。

そういえば、50歳になったとき、ついに半世紀、よくぞ生きてきたものよとひそかに
感激していたら、48歳の女性から、まるで別の世界のニンゲンのような言い方をされ、
めでたい気分がふっとんだ。
わずか2歳違い。
ではない。なにがなんでも違うのだ。
まして40代と50代。聞こえ方の差は大きい。

でも、じっさいのところ、ひとつふたつどころか前後10歳くらいは、もうたいして変わらない。
一目おける人が年上とはかぎらないし、同い年かと思っていたらお姉さんだったり、反対に
ずっと若いおばさんだったりする。
そういう面白い年頃なのだ。


と、自分を励ましながらカレンダーを見ると、もうあと一枚。
早い。
早すぎる!



Wednesday, 05 October, 2011 ご案内 現代詩セミナーin神戸2011

       今、詩に何ができるか

2011年、東日本大震災と、原発事故による放射能汚染がこの国を見舞うなかで
あらためて現代詩の主題を問いかける


〇講演「生命を語る言葉 3・11以後」佐々木幹郎

○パネリスト 岩成達也、高階杞一、高塚謙太郎、細見和之

◆2011年11月26日(土)午後1時~ 5時 (受付12時30分)

・・・以上、案内より。



Tuesday, 13 September, 2011  どちらさまも

東も西も大変なのに、足の引っ張り合いもたがいにしてよね。
人材不足はおたがいさま。
とりあえず、目の前の、やるべきことをやってくださいな。

などと、テレビの前でひとりごとが増えたこの頃。


■今日ご紹介の詩集
・しっかり食べるから出てきたことばにはかなしみも滲む『ちょっと食べすぎ』長嶋南子さん



Thursday, 01 September, 2011  きょうの詩

◇「あんぱん」 豊田和司さん

火皿詩話会発行『火皿124号』より



Sunday, 28 August, 2011  この頃の雨

先日、しきりに雷が鳴っているものの、南側の窓から見えるのは白い雲と青空。
風も涼しい。
どこかで降っているのだろう。
しばらくして北側の部屋に入ると、なんと、開け放した窓から吹き込んだ雨でびしょびしょ。
窓際に並べた観葉植物はどれもこざっぱりしていた。

最近の雨の降り方は、ポツポツ、シトシト、なんて可愛いものじゃなく、ポツリときたとたん
いきなり、真剣に降るから油断ならない。
きのうの午後遅くになって降り出した雨もそうで、しばらく待って小止みになった隙に帰って来た。
その雨が大阪では浸水騒ぎになったらしい。
この頃は、会社には置き傘。合皮のバッグ。その中に折り畳み傘。靴も雨用。
私にしては珍しく用意周到。


■今日ご紹介の詩集
・削いでほどよく発酵した言葉に導かれてたどり着く『祝福の城』冨上芳秀さん



Monday, 08 August, 2011  ご案内 第14回ロルカ詩祭  沈黙(もだ)の夏がやってきた…

……詩人ロルカの瑞々しい抒情性と情熱的で豊麗な歌心を愛する私たちが、
この朗読会を始めたきっかけは、阪神淡路大震災でした。詩祭は私たち『めらんじゅ』に
集う同人・誌友が中心になり、震災で犠牲となった人々への鎮魂と神戸の復興を願う
切なる思いを、ロルカに対する哀悼と哀惜に重ね、詩の朗読という形で表現してきました。
そして14回目の今年、私たちはこの詩祭を関東東北大震災という未曽有の災害の中で
迎えなければならないことに、深い悲しみを抱いています。……鎮魂と癒しと再生への
祈りから出発したこの詩祭の原点に、私たちは今一度立ち返り、より多くの方々の心の
深みにまで届く言葉の創造を目指して、努力する所存です。どうか濃密な時間を共に
分かち合い、創り上げてくださいますよう、お願いいたします。   (ご案内より一部抜粋) 

◆2011年8月20日〈土〉 午後5時開場

◇第1部/午後5時30分~ロルカ詩の朗読 1.アグスティン 2.今野和代 3.鼓 直

◇第2部(自作詩の朗読)/1.今野和代 2.富哲世 3.大西隆志 4.福田知子 
     5.岩脇リーベル豊美 6.高木冨子 7.大橋愛由等 8.高谷和幸 9.にしもとめぐみ
     10.寺岡良信 11.平岡けいこ 12.中堂けいこ 13.安西佐有理 15.情野千里 
    
◇演奏/外薗美穂(バイオリン)

・・・以上、案内より。

「ロルカ詩祭」は、スペインの国民的詩人であるフェデリコ・ガルシア・ロルカの
生誕100年にあたる1998年から神戸で行われている詩の朗読会です。



Friday, 05 August, 2011  日傘と扇子と

どちらも夏の必需品。
持っていて使っていてあたりまえ。

なのに私は、ただでさえ荷物が多いのに、日傘など。
心やさしい人たちは、うっかり忘れたのだろうと気の毒がって、さしかけてくれる。
あら涼しい。と思っても、売り場は素通り。
ふつうの人がふつうに扇子を使っている姿を見て、いいなあと思うが、自分の持ち物に
扇子のセの字も入っていない。
景品などでしょっちゅうもらった覚えはあるのに、モノはどこにもない。


日盛りの日傘。扇子をパタパタ。くた~とした関西弁。信じ難い蝉の声。
たぶん、はるかな昔にみた映画やドラマの一場面だったのだろう。
子どもだからなおさら縁がなかったはずだが、なぜかセット状態で残って、関西・日傘・扇
子・蝉・関西・日傘・扇子・・・
どこまでもぐるぐる。
いま、真夏の昼下がりの常套場面そのものの中で生活しているのに、ああ関西だなあ、と
ながめている自分に気づく。
薄皮一枚分よりもっと薄い膜のこちら側に立っている気がする。

しかし、年々くたびれる。
今年はその気になって売り場を回ったものの、あれこれ迷って決められない。
もうジャマくさくなりかけたところへ、日傘の景品が!
天の助けとはこのことか!
とまでは思わないにしても、ま、いいや。

ここ三日ほど持ち歩いているが、じっさいに使ったのは、一日のわずか数分。
なんだか照れくさい。



Monday, 01 August, 2011  とうとう

昨夜からクーラーをつけました。
ただし、起きている間だけ。

数年前に、氷枕をするとクーラーがなくても平気よ、と聞いて試すと、なるほど。
ケーキやお寿司についてくる小さめの保冷剤二つあれば、よほどの熱帯夜でないかぎり、
すんなり眠れる。
ってことを吹聴していましたが、あまりにもビンボーくさいせいか、ふーん。

ところが最近は堂々と記事になっているようで。
それにしても、「エコ」だの「地球にやさしい」だの、うそっぽい。
などと言ったとたん、それよりタバコやめたら?の視線が。
はいはい。
みなさん健康で長生きしてください。


■今日ご紹介の詩集
・白骨になったところから辿りかえす視線がふしぎ『が ないからだ』石川厚志さん



Thursday, 14 July, 2011  甘口

居酒屋では、なんと言っても生ビール。
けれど2杯も飲んだらお腹が張ってしまうから、さて、なににしよう。
みなさんは、いっせいに焼酎のナントカ割り。
私はその類はキライだから、日本酒を頼むことになる。
まあ、目的が喋ることと食べることだから、お酒はおつまみみたいなものだ。

ところが、気のあう人たちの中に適度に飲む人がいっしょだと、喋るのはもちろん飲むことに
大きく傾く。ビールから日本酒に変わるのはいつものことだが、
もう一本いこか。
うんうん。
もうちょっと?
うんうん。

やがて、ぐらぐら。

日本酒と尾崎放哉の句は似ている。
口当たりの良い日本酒も、次第に甘ったるくて口直しをしたくなるように、
放哉を読んだあとはもっとすっきりしたものを読みたくなる。
それでいて、ひさしぶりに読み返すとその甘さがたまらなく「おいしい」。
魅かれる。

  傘にばりばり雨音さして逢ゐに来た

いつか、こういう詩を書きたい。



Sunday, 03 July, 2011  いやはや

このところずっと、新しいオモチャ・パソコンで遊んでいて、おかげで詩を読むヒマも
書くヒマもありません。

というのはウソです。

ヘルプひとつを読むにも、いったいどこ? 
しゃしゃり出てくるのは、こんなもんどれほどの頻度で使うのよ!

まあ、いつものようにろくすっぽマニュアルも読まずにいじるから、この事態では
ありますものの、親切も過ぎるとよけいなお世話。
なんて悪口を言っていたらご機嫌を損ねそう。
設定はらくちん。さすがにサクサク。画面もきれい。
もちろん、嬉しい。
慣れるよう努力しますから、これから最低5年は遊んでください。



Tuesday, 28 June, 2011  大汗

XP大好き! だったのに、突如、というか、あっさりWIN7に乗り換えました。
たいがいはスムーズにいったのに、このかんじんのHPソフトに手間取り、大汗。

で、なんとか更新してみたら、あらま。
文字や背景の色味が違う。解像度のせい?
レイアウトが微妙に違う。画面が横長のせい?
フォントも一部変わっていて、いままで使っていたものをインストールしたらOK。ということは
このカタチ、自分が見ている状態で見てもらえるとはかぎらないのだと。
鏡に映った「私」と、周囲に映る「私」とのギャップのようなものでしょうか。

今夜も熱帯夜。
カラスが啼く夜更けです。



Thursday, 23 June, 2011  きょうの詩

◇「茄子を煮る人」  武内健二郎さん

 武内健二郎さん発行のインスタレーションポエトリーマガジン『鶴亀04』より



Sunday, 19 June, 2011  スタイル

気になっていた詩をご紹介しようと『Collection詩…詩誌』を作ったものの、あの詩は
いつ頃のものだったろう。
今年のはじめにきちんと整理したのに、なかなかみつからない。
おかしい。
ブツクサ言いながら探していたら、とんでもないところからもポロポロ。

で、そのひょっこり組をはじめ読み返していて驚きました。
みなさんの創作意欲に。その数量に。水準維持に。
数ヶ月に一度の発行にちゃんと間に合わせ、同じような発行間隔の複数の詩誌にも
作品を載せるとなれば、月に数編は書いているわけですよね。

ものごとを真剣に考えることもできないのに、一編の詩に数ヶ月かかるのはザラ。
数年がかりのことも少なからず。すらすら書けるのはまれ。そんな私からすれば、
どうして?!

周囲に聞けば、頭の中に絵がある。座禅を組む。時間を決めている。毎日一行ずつでも
書く。つまり「スタイルを確立しているから書ける」
なるほど。スタイルね。
ふむ…。
……。



Thursday, 09 June, 2011  またまた

詩を読む講座に復帰。

貧乏で落ち着きのない私には途中からでも参加できるのが嬉しく、とくにこの数年は
出たり入ったりちょろちょろしている。
そうして数ヶ月休んでいる間に、すこし顔ぶれが変わっている。
ふだんは前もってテキストを読んでのぞむが、いきなり向き合う。
態度はデカいが、じつはとてもドキドキ。

復帰初日は、半期に一度の実作合評の場だった。
脚本のような作品では、配役?にしたがって三人で朗読するという初の試みがあり、
予備知識がないぶんラジオドラマを聞く気分で面白かった。
ところが途中から「ゴドーを待ちながら」に重なり、そうなると、もうゴドーから抜け出せなくなって。
以前にも、ある賞を受賞した詩集で、あ、**だと思ったとたん、その小説「**」を離れた
読みかたができなかった。

読めないということは、書けないということか?
書けないから、読めない?
ただ単にアタマが悪いだけ?
うーん。
どれも当たりのようだから講座を続けようと思う。



Saturday, 28 May, 2011  きょうの詩

 ◇「なんだって?」 彼末れい子さん  

  江口節さん発行 『多島海19』より



.Tuesday, 24 May, 2011  『Collection詩』のこと

ここは、好きな詩人のもっとも好きな詩のページです。
石原吉郎。天野忠。
それから、…。…。

のつもりでいたのですが、気分をかえて次は『詩誌』。(なんと素っ気ない!)
詩誌や講座やどこかでであった一編、これはすてきだ、と思った作品を
引用させていただこうと思っています。(またも無断で!)

◇「不条理な布団」 三井喬子さん 

  三井喬子さんの個人誌『部分42』より



Wednesday, 18 May, 2011  個人誌『夜凍河19』完成

HPをいじっていると、なんだか結果オーライ、になることがあります。
一方、どうやってもなんとしても元に戻せないことも。

最初から作り直すほどのぐちゃぐちゃでないなら、ま、いっか。
動いているうちに、それなりの方向へむかうだろう。

そんな安易な見切り発車のHPと並ぶのが、個人誌『夜凍河』。
どちらも「こういうことはしない」と軽く決めている程度で、あとはなにもなし。
いったい、どこへむかっているのやら。

右往左往しながら、ともかく19号になりました。


Tuesday, 17 May, 2011 うーん

映画は原作の上澄みみたいなものだから映画が面白いなら、原作はもっと面白いはず。
結果はたいてい、ほぼ8割方、原作はもっとずっと面白くて、たしかに映画はベツモノなのだ
と納得する。
その反対に、原作を読んでいて映画をみるときは、監督の解釈を拝見するといった気分。
だから両者はベツモノだと割り切れる。

ウワサにつられて購入したものの、手に入れたら安心してしまい、並べていただけだった
『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ。
数年たってやっと開けば、もう止まらなくて通勤にも抱えて歩いた。
もっとも当時は、時代背景もぼんやり、セクト名はもっとぼんやりで、映画のサスペンスの
余韻の中で読んでいた。
ここしばらくヨーロッパ中世をさまよっていて、すっかり予習した気になり、また大部を取り
出して再読。ついで、DVDも。
どちらにも文句などない。
それぞれに名作。

ただ、DVDのオマケ、監督による「ビデオ・ジャーニー」には、うーん。
喋りたいんですねえ。
舞台裏。
自作の解説。

詩の合評などで、これは実際に見たんです、ほんとにあったんです、と作者本人が
力説するほど、しらけてしまうが、それに似ていた。

こちら(観客)にあずけてほしい。
もうすこし信用してほしい。
なんて、知ったから言えることで、これまた思い上がりもはなはだしい。
とは思いつつ…。

       

      あのS・コネリーの印象が変わった記念すべき作品でもあります。



Wednesday, 11 May, 2011  靴

救援物資がさばききれないというニュースの中で、履き潰して汚れたままの靴が入った
ダンボール箱を見せていた。
開封した瞬間の驚き・落胆・情けなさはいかばかりであったろう。

たとえ高価だったにしても手入れもせず履き潰したものは、ゴミ。
そのゴミでしかないものを支援にことよせて。
着払いで送り返してやったらいいのに。
テレビの前でぶつぶつ。
じっさい現地では送り返すひまもないだろうと思えば、よけい腹がたつ。


ずっと昔。
靴の修理は、線路側で小さな店を構えているおじさんにお願いしていた。
もちろん高価な靴など持っていないが、なににしても気にいったものにはしつこいから、
「なんとかなりませんか~」泣きつくこともたびたび。
そして、歩き方が悪い。性格が悪い。この磨き方はあかん。いまどきのもんは…。
毎度のお説教や嘆きや昔話、ついでに子どもの自慢話も、おとなしく拝聴。
ピカピカに磨いてもらえるのが嬉しくて、その店のクリームやクリーナーは買っても
靴だけは買わない後ろめたさをひきずりながら、通い続けた。
体調がおもわしくないと聞いていたおじさんの店も震災で跡形もなくなり、その後の消息は
しらない。


一週間遅れの連休はまたも靴磨き。
ずらり並べて、むふふ。
こんなに靴磨きが楽しくなったのはおじさんのおかげです。



Sunday, 01 May, 2011  個人誌『夜凍河19』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河19』ができあがりつつあります。

いつも用紙を購入していたネットショップをみると、廃番につき在庫限り。
な、なんと!
あれほど自慢したのに~!
いそいで買い込み、メーカーには、他に同じような製品はないのかと問い合わせれば、
ございません。
いともつれない返事。
次からどうしよう。
……というのが昨年の今ごろの話でした。

印刷したほうが安くあがるだろう(見栄えも良いだろう)。
たびたび言われますが、内心、そうはいくか。
いっしょに遊んでもらえるかなあとドキドキしながら声をかけるのに始まり、どんな
構成にしよう、とか、どの写真を使おうとか、それらを含めた詩誌そのものを作る
愉しみがとても大きいのですね。

今回はひさしぶりに一人。
ずるずるしてしまいそうなのでここで公表して、ちょっと自分にハッパをかけようと。



Thursday, 21 April, 2011  詩誌のこと・2 『4B』

中井ひさ子さん、坂多瑩子さん、福原恒雄さん、南川隆雄さんの4Bの会発行。

『4B』は4年B組。
まさか。
小学校のときからクラスはA組、B組…で「4Aの○○さん」といった言い方をしていたから、
チョーク書きふうにも見えてなんだか懐かしく、つい。
じっさいのところは、聞いてびっくり。あるいは、なるほど。はたまた、なんのこっちゃ。
どれであってもなくても、こちらが勝手にあれやこれやと想像できるネーミングは楽しい。

会話より散文、散文より詩を読んで受けた印象のほうが正しいと思い込んでいる。
だから、この人の視線・感覚はこれだと。(ホントかな…)


  尾ひれのない/一匹の魚が空をみている (魚の家・坂多)

  顔を向けると風でしぜんに閉まる/なにを誘っているのだろう (野の扉・南川)
 
  かるい肯定がぐずつく坂のまえに/また/坂がある (坂・福原)

  捨てる うしろめたさ/つかむ うしろめたさが (嗄れた声・中井)

*最新号 2011年3月 詩誌『4B』創刊号



Wednesday, 13 April, 2011  ほんとうに

タバコがない。

コンビニからタバコが消えかかっている、という話はなんとなく聞いていたものの、
私が吸っているのはふつうの銘柄で、コンビニでもどこでもふつうに買えていたから、ふーん。

ところが今日の帰り、家の近くの自販機で2個買ったらいきなり売り切れ。
 え? 
しげしげながめれば、外国タバコ以外、売り切れのランプばかり。
お店に入ると、なるほど、棚はスカスカ。
ご主人曰く、「ニュースになったとたん、まとめ買いする人が多く、5月まで入らない」
タバコよ、おまえもか。

まあ、タバコはジンルイの敵、みたいなものですから、いいんですけどね



Monday, 04 April, 2011  4月になって

先月からなんだか調子が悪く、いよいよタバコを吸う気にもなれなくなったから、
これは重症だ。
で、自己診断通り、いきなり入院することに。

入院中はテレビも新聞もパソコンもなし。当然、敷地内は禁煙。
たいへん規則正しく清らかな生活でした。

私もついにタバコと縁が切れる。
と、初日の夕方まではどこかで、チラと、かすかに期待したものの、そうはまいりませぬ。
あわてて入院の用意をしてマイ箸は忘れてしまったのに、携帯用灰皿はちゃんと持って
いった私ですから、コンビニへ行くふり、散歩のふりして、人気のないあたりでこっそり…。
よし、吸えるから大丈夫。

それ以外は日々、花が増えていく桜をながめ、遠く新幹線が行き来するのをながめ、
その向こうの六甲の山並み(の端)をながめ、空をながめ、ひたすら、ぼんやり。
きょう、一週間ぶりに帰ってきました。

そろそろ被災地では疲労が出てくるころでしょう。
どうか、乗りきってください。



Saturday, 19 March, 2011  「関西で節電したところで」

有名になった(?)チェーンメールの文面からは、「どっさり電力を提供」と読めます。
「少しの節電でも立派な支援」と続けば、そうか、そうよね。

あわててコンセントを抜きながら、でも、本当にどっさり電力提供できるなら、とうに
マスコミが報道しているはず。
どうやら、提供は事実であるけれど微妙に違う。
 
注意が行き渡ったようでネット上では「関西で節電したところで役にたたない」


それでも節電の呼びかけに応えるのは、見ている・気にしているよと伝えることになる
と私は思っています。
「役にたたない」の声は、妙な興奮に対する苦言かと。

日々のふつうにできることはやって、何でも自粛、のムードをこれ以上作らないよう
冷静でありたいものです。



Sunday, 13 March, 2011  節電のご協力を 

   関西地区にお住まいのみなさん。

   東北三陸沖大地震に伴い、関西電力が東北電力への電力提供を始めました。

   電子レンジや炊飯器など、普段さしっぱなしのコンセントを今日だけでも抜き、
   一人一人が出来る節電のご協力をお願い致します。

・・・・以上、女性防災からの転送メールより。


今日現在、関西電力のHPには
「今のところ、更なる特別な節電をお願いするような状況にはございません」
となっていますが、日頃の省エネ・節電のためにも、また、遠くにいてできることのひとつと思い、
メール内容を一部省略して転載しました。



Saturday, 12 March, 2011 
 救援に携わるみなさま、よろしくよろしくお願いいたします



Friday, 11 March, 2011 
 東北・関東地方のみなさま、どうぞご無事でありますように



Thursday, 10 March, 2011  瞬間

珍しくお泊りの来客があったので、ひさしぶりもひさしぶりの主婦業にいそしんでおりました。

部屋がちらかっていても、埃がたまっていても、そう簡単に死ぬもんか。
と思っているだけでなく口にもしている私ですが、今回はいばっているわけにもいかず、
二週間も前からせっせとそれらしいことを。
おかげですっかり調子づき主婦業再開、とはなりませんね。
あー、疲れた。


■今日ご紹介の詩集。
・抱えた哀しみが大きすぎるから明るくステキに色っぽく『シャカシャカ』長嶋南子さん



Wednesday, 09 March, 2011  H氏賞

髙木敏次さん『傍らの男』が第61回H氏賞を受賞されました。
おめでとうございます。


数編の詩を読んで、発見→もっと読みたい→詩集を手に入れなきゃ!
となることがあります。
じつは“発見”でもなんでもなく、私が詩の世間を知らないだけのこと。
検索をかけてみれば、あるある。が、チラッとみるだけで読まない。詩集を手にして読了し、
また読み返し、ここの紹介用の作品を選ぶまでサイトはうろつかない。年齢だの職業だの
個人的背景を聞かされそうになると半分、耳を閉じる。
なにしろ影響を受けやすいタチだから、なるほど、そうなのかと思ってしまえば
もうその線上でしか読めなくなりそうで。

まず自分の感覚最優先。当然ながら誤読も思い込みもはなはだしい。あとで指摘されて
冷や汗、脂汗なんて、しょっちゅう。
でもいいのです。映画『イル・ポスティーノ』でマリオも言っていました。

  “詩は書いた人のものではなく、必要としている人のものだ” 



Wednesday, 09 February, 2011  逃げる二月

なにかをしていても、していなくても、もう三分の一が過ぎる。
寝る時間だけが減っていく。
でも、そのうちイヤでも眠ることになるから、いっか。

と、夜が更けていくのでした。


■今日ご紹介の詩集。
・私にことわりもせずに出かけ、帰らないと伝言を置いていくのは『傍らの男』髙木敏次さん



Monday, 07 February, 2011  楽しい週末

個人誌にも書きましたが、数ヶ月休んでまた復帰してを繰り返しながら続いているのが、
詩を読む講座。

テキストの詩を読んで、みんなで言いたい放題。
それじゃ合評会と同じじゃないか、と思うでしょうが、さにあらず。

それはともかく、その言いたい放題の矢面に立たされる(?)作品をリクエストできるので、
以前は、松川穂波さんの詩をリクエストしました。
詩集にまとめられる前の、同人誌に発表された2編で、作中の「私」は作者の「私」では
ない、けれどなおも両方の「私」を統べる「私」がいるのではないか。
…興奮のあまり自分でも何を言っているのかよくわからず、当然、聞かされた方もハテナ?
それでもみなさんはよく読みこんでくださって、上質な抒情詩とはこういうことだと、
あらためて確認した気分でした。

で、こんどのテキストとして池澤夏樹さんを。
彼こそ、正真正銘の詩人。だから作家なのだ。
と言ったらご本人は気を悪くされるかもしれませんが、私にとってはそうなのです。
どの詩にしようかと毎日、少しずつ読み返しているものの、難しい~!
一編が長い。どれもどれも長い。それらでひとつの世界を作っているのに数編を
抜き出したところで、どこまで伝えられるものやら。
だからこのHPでご紹介するのを断念したのに、また懲りずに。

次の週末まで二週間、もない。
うーん。



Sunday, 16 January, 2011 趨勢

今年はじめての講座を終えて、さて一服。
…ん? ん? 喫煙席がない!

去年まで通路沿いの一番隅にひっそりあったのが撤去されているのです。
二度と来るもんか。
というわけにもいかず、さっさと外へ出ました。

そう言えば、会社の喫煙室が打ち合わせに使われていることも、しばしば。
こっちも閉鎖される日が近いのかもしれないなあ。
やれやれ。


■今日ご紹介の詩集
・おばさんは苦く、猫はフンと笑い、そして「おとこ」の骨がわらう『猫笑う』長嶋南子さん



Tuesday, 04 January, 2011  初出勤

たった三日だけの休みでした。
というのも、暮れの二日間、戸外でお手伝い(になっていたかな?)をしていたのです。
ふだんは、ぬくぬくした事務所にいて雪だ、雨だとながめているだけなので、よっしゃ。
好奇心いっぱいで出たものの、いやー、寒いのなんの!

30日は朝から小雨、晴れ、突風、また小雨。
31日は雪、風、雪。
もちろん準備は怠りなく腰にカイロを貼り、靴下2枚、マフラー、手袋、いいかげん着膨れた上に
北海道で活躍していた雪掻き用ダウン。
それでも寒いったら寒い!

私は2時間ほどで交代、足も温まったころにまた出動する程度でしたが、専属のバイト君は
食事休憩以外、ずーっと。慣れているとはいえ、若者とはいえ、やっぱり大変。
たとえ、ひやかしでも人がいると気がまぎれましたが、31日は雪の中、みんな急ぎ足で
通り過ぎるばかり。そりゃそうだと思いながら、なんだか寂しく、よけい寒さが身にしみました。

それでも寝込むこともなく、ぼんやりしているだけでお正月休みはおしまい。
今日からまたいつもの、ぬくぬくした日々です。




Sunday, 02 January, 2011  あけましておめでとうございます

『海にもたれて』2回目の新年を迎えることができました。


いただくたび、わくわくしながら読んでお返事しようと思ううち、DMが、雑誌が、
借りた詩集、読みかけの本もあれば年表、通販カタログ…。
積みあがった山があちこちに。

今日やっと整理して、詩誌を再読。
どちらもコンスタントに意欲的に発行されていて、なんだか背中を押される気分です。
いつもありがとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

                          

Wednesday, 08 December, 2010  個人誌『夜凍河18』完成

このたびのゲストは、月村香さん。
なんとなんと、月村さん自ら名乗りでてくださったのです。
励まされてたどりついた18号です。

月村さん、ありがとうございました。



Monday, 29 November, 2010  PCその後

まだまだ使いたいXPだから、ヨイショしたりお掃除したり脅したりだったのが、
この半月はご機嫌斜め。フリーズしまくり。
もう一台のもっと古いXPは、最新のノートンを入れてからというもの、まだあ?
立ち上がるのに30分以上もかかる。
どうやらメモリ不足が原因のよう。

で、メモリ増設に挑戦。
メーカーのサイトでも対応していることを調べたし、これなら大丈夫。

とは思ったものの、コワイ!
でも、よけいなお世話のないXPを使いたい。
でもでも、コワイ!
でもでも、でも…。

踏み切れないまま二週間になります。


■今日ご紹介の詩集
 ・空から木々から地中から原野からのはるかな声を聴いている『渇く夏』村田譲さん



Monday, 22 November, 2010  個人誌『夜凍河18』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河18』の準備を始めました。


はじめて詩だけの同人に参加した頃のこと。
周囲は数冊の詩集をお持ちの方ばかり、もちろん褒め上手。すっかり舞い上がった私は
書いたから出す、といった調子で毎月発行の同人誌で皆勤もたびたび。
10年近くそんなことをやっていましたが、そこを辞めて久しぶりに同人誌を読み返したら
顔から火! 
ぜんぶ捨てました。

個人誌を思い立ったときはやはり、もう雑なことはしない。
出せるようになったら出す。…心意気だけはいっちょまえです。

『夜凍河18』もすてきな詩人をお迎えして、12月発行予定。



Sunday, 31 October, 2010  11月6日の

「現代詩セミナーin神戸2010」が近づいてきました。

今年はセミナーや出版祝いの他にもいろいろご案内をいただきながら、休みの都合で
参加できないことが多かったので楽しみです。
ただ残念なことに、こんども一日だけ。
私には難しそうな内容ですが、なにかひとつでも残ればいいかな、と。


■今日、ご紹介の詩集
・詩人の視線、その動きをいっしょにたどる。という醍醐味の『明示と暗示』貞久秀紀さん



Sunday, 10 October, 2010  朗報朗報

三井喬子さんの『青天の向こうがわ』が第12回小野十三郎賞を受賞されました。
おめでとうございます。


ここでご紹介の詩集は、読みながら感じ、読み終えてやはり残る体臭=詩集のにおい、
のようなものに惹かれて。そして、なんでもないときに詩行の一部がスッと口に出る。
声に出さないまでも頭のなかでリフレイン。
それが私にとっての良い詩集、すてきな詩になっているようです。



Friday, 08 October, 2010  『特別室』

9月が終わる頃、少数派が集う喫煙室はなかなかにぎやかでした。
もちろん、タバコの値上げ。
キッパリ禁煙宣言する人、どうしようかなあ、の迷える人もいれば、
悪者扱いだと屁理屈をこねる人、吸ったら罰金と他人を道連れにしようとする人、
禁煙によって浮くだろうお金で皮算用する人…。

10月。
ガラス越しにのぞく『特別室』は、がら~ん。

 みんな、やめちゃったの??

なんてことはなく、三日もたったらいつもの顔ぶれが。
休みや休憩時間がずれていただけで、あの潔い宣言をした人もちゃんといました。
そういうものですね。



Monday, 13 September, 2010  髙谷さん出版記念会

9月11日、髙谷和幸さん『ヴェジタブル・パーティ』の出版記念会でした。

待ち遠しかった詩集のお祝いなのに遅刻してしまい、乾杯も、富哲世さんや時里二郎さん
のスピーチにも間に合わず。とくにお二方の読み方に関心があったので残念。

それでも、現代美術をはじめ詩以外のジャンルの方が多く出席されているのを知って、
堅牢な構造をもちながら開かれていく髙谷ワールドを、具体的に覗き見た、気分でした。
サーラ編集人も登場したスピーカーには、司会者から新鮮な野菜が。
なるほど “世界網的野菜主義共同体”(そうなの??)

私がもっとも惹かれるのは、「おいで」と呼びかけるあたたかさ。
いまはない存在…はるかな過去からの、生を全うし、あるいはふいに中断され、やがては
私自身も含まれる…無名の無数の影たちに呼びかけてくれるのは、詩人だけだろう。

というようなことを言いたかったのですが、しどろもどろ。
それでも、ちゃっかり紫たまねぎをいただきました。

髙谷さん、『ヴェジタブル・パーティ』ご上梓おめでとうございます。



Tuesday, 31 August, 2010  スポンジケーキ

ノートパソコンの一部に手が触れると、アチ!
そう言えば、やけに音も高いしと思いながら数日様子をみるも、いよいよ熱を持っている。
PCから発火した話もよぎり、これは危ない。
とにかくお掃除しよう。

裏返して通風孔をみれば、ファンがない??そうか。丸4年の埃が詰まっていたのかと
掃除機をあてたら、たちまちこんもりスポンジケーキふう。こんがり焦げ色の。
タバコの煙がこんなところにまでと感心しながら、掃除機で吸い込むこと数分。
やっとファンの姿を取り戻し、電源を入れると、あらあら。立ち上がりは早いし、音も静か。
一ヶ月たった今日現在も熱くない。
だいたい4年ごとにPCを変えてきて今回も半分は諦めていたけれど、
これでかなり寿命が延びた。…はず。(延びてください。ちゃんとお掃除しますから)


■今日ご紹介の詩集
 ・てむてむと跳ねる毬は高く自在に仮面の裏をもかすめて。その軌跡をたどるような
 『ホバリング』中堂けいこさん



Thursday, 19 August, 2010  あれもこれも

詩集内容に触れよう、とか、詩誌のことを、とか、詩を読む講座でであった作品のことも、
と欲張っていましたが、みごとに挫折。
詩誌のことを書きかけていたのに、気づけば次号が、次々号が…。

更新するのは、「この夏、一番の暑さ」ばかりです。



Tuesday, 27 July, 2010
 詩集

同人誌などで一編の詩として読んでいるとき、ピンとこない、と言うか、これは何だろう?
途方にくれてしまうことがあります。
ところが、それらが集まった一冊の詩集、になったとたん、ああ、そうか。突然見えてくる。
気がします。
一編の詩でぼんやり感じたものを詩集で確認した気になったり、反対に、そうだったの?!
とんでもない誤読だったことを発見したり。
どちらにしても、愉しい興奮です。


■今日ご紹介の詩集
・おいで、と呼びかけられているのはかつて在り今も在るものたち『ヴェジタブル・パーティ』
 髙谷和幸さん



Saturday, 24 July, 2010  暑い暑い!

なにかが起こりそうな気配がして、構えていたら、なんにもなし。なーんだ。
と思ったとたん、ばたばた。
悪い方向ではなさそうなので、ひとまず安心。…していいのかな。

そんな落ち着かない中でも暑気払いと称して、しっかり飲んでいました。
が、涼しくなるどころかグッタリ。
ほんとに、二日酔はキツイ。


■今日ご紹介の詩集
 ・ふんわりとしたものに包まれたこの硬質さは何だろう?『石はどこから人であるか』
 貞久秀紀さん



Friday, June 25, 2010  3ヶ月ぶり

詩を読む講座に復帰しました。
いつものように大きなカオをして座ったものの、妙に緊張。
以前には半年ぶり、数年ぶりだったこともありましたが、こんな緊張はしなかったような。
ふしぎです。


■今日ご紹介の詩集。
・多忙な日々だからこそ“ことば”と向き合う『いつの日か鳥の影のように』小野田潮さん



Tuesday, June 22, 2010  夢に見る程好きな

とくに休み明けに出社して、机の引出しを開けたとたん、きゃっ! 
お菓子だらけ。
ふだんでも情報通のみなさんだから、話題のスイーツとなればさっそく。
来客の手土産もあれば、日帰り旅行でもまめにお土産を買ってきて配ってくれる。

ところが、いただくものはいただいても、私にはお土産を買う習慣がない。
珍しく旅行らしいことをしても迷惑をかけるほどでなければ、手ぶら。しかし話だけでは
許されないようで、一度ならず催促された。
それからは旅行だとバレてしまう時は、着いたらまずお土産を物色、見当をつけておく。
たとえ発車間際でも迷うことはなく、「行って来たよ」と証拠品を配るのである。

先日、岡山へ行った。
在来線を乗り継いで3時間半。
田植えの準備を見ながらだったのが西へ進むほど、園児も混じった田植えの最中になり、
県境ではもう終わって人影はない。乗り降りする子供たちやおばさんたちのアクセントも
すこしずつ変わっていく。ぼんやり揺られているのにちょうど良い時間だ。
翌日は朝からたいした目的もなく歩き回っていたが、午後になると暑さもあってぐったり。
もう帰ろう。
それでも駅をうろうろしていたら、あの『大手まんぢゅう』が。あのウワサの!
つい、買ってしまった。
内田百閒が夢に見る程好きな大手饅頭は、播州赤穂回りで帰宅してからも
まだかすかな温もりがあり、シンプルで美味しかった。

だから、会社には手ぶら。聞かれても、どこかへ行って来たような行かなかったような、
むにゃむにゃ言ってすました。

あの百閒が、と言って通じるならと思いながら、今日もいただいたお土産をパクパク。



Wednesday, 02 June, 2010  一人で大騒ぎ

ここからリニューアル版です。

・・・どこが?
と言うほど、なにも変わっていませんね~。

なにぶん、最初のシンプルさが気に入っていたので、そっくり真似をしたのでした。
洋服で言えばデザインはそのまま、生地やボタンを好みのものに変えただけで
本人はいたくご満悦。


■今日ご紹介の3冊。
・明るい景色の底に抑えた哀しみが流れる『雲の映る道』高階杞一さん

・厳しいまなざしが外と同時に内に向かう力強い『烏が啼くか π』竹田朔歩さん

・言葉ひとつひとつ、一行一行が端正で立ち竦むような『昼のふくらみ』貞久秀紀さん



Friday, 28 May, 2010  こんどこそ、リニューアル。

慌てふためいていたのは、右も左もわからない私でもそれらしいHPにできる大変な
すぐれものであるこのソフトのサービスが、5月をもって終了するためでした。

今後もソフトの使用は可能のようですが、等幅フォントが欲しい、違うテンプレートが
あれば、縦書きも、の欲が出て、では新しいソフトにしよう。
そうして我ながら、もう後にも先にもないであろう集中ぶりを発揮した一ヶ月。
なのに、あっさりパー。

三つめのソフトとなるこのたびはじっくり構えて、じっくりし過ぎて操作が分からなくなる
こともままありましたが、こんどこそリニューアルと言えそうです。
…内容は変わりませんケド。(これからの**さん、機嫌よくお願いします。)

簡単便利で快適だったHPMIXさん、ありがとうございました。


      



Wednesday, 05 May, 2010  ささやかに

世間は大型連休だったようで、私も真似をして2連休。
靴磨きと衣替えと部屋の整理。プラスお昼寝。けっこう嬉しい。


先日、姫路に用事があった折のこと。
早めに行って美術館に寄ろう。余裕しゃくしゃくで家を出た。
新快速を待つあいだ、路線図をながめていると、姫路は在来線の終点ふたつ手前。
そうなんだ。
とたんに美術館行きはなかったことになり、一時間ほどで着く新快速を見送り、途中
から各停になる快速に乗った。

いまだに寄り道、道草ばかり。

そこから支線が出ていると気づけばあわてて乗り換え終点まで行き、駅前の風景を
ながめて戻る。あるいは、金沢周辺をまわる綿密なプランをたて、しかし乗っている
のは長崎行き。あらま。
そんなつもりはないのに出港のざわめきにつられ、「いま出る船」に飛び乗る。
探険気分で船内をうろつき、やっと腰をおろして切符の行き先を見れば「……?」

だから名所・旧跡の類はほとんど知らない。
自分でもバカみたいと(一応)恥じていたが、目的のない旅の大先輩を知ってからは
心強いものだ。

  阿房(あはう)と云ふのは、人の思はくに調子を合はせてさう云ふだけの話で、
 自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。用事がなければどこへも行つては
 いけないと云ふわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ
 行つて来ようと思ふ。    …内田百閒『阿房列車』




Saturday, 17 April,2010  言い訳など

詩を読む講座もお休みして、あたふたしていたら、もう4月。すでに半ば。

先月、とうに送り出したはずの個人誌がぽろぽろ出てきて大急ぎで投函。ところが
今日になって、またも数通、別の場所から…。
ちゃんとチェックしているはずなのに、おかしいなあ。

いまごろになって届くみなさま、ごめんなさい。
どうぞ読んでやってくださいませ。

いただいた詩誌にもお返事できていませんが、ちゃんと読んでいますので、
こちらもしばしご容赦を。



Thursday, 18 March,2010  古巣に舞い戻りました。

エラーエラーエラーの合間に思い出したように正常になり、その隙に更新していたものの、
ほとほと疲れました。
この数日はリニューアル版のサイトを閉鎖しようとして四苦八苦。やっと本日、成功。
やれやれ。
でも、不安定なソフトと格闘したおかげでHPの仕組みが少し理解できたような。
そうなると次なるソフトが…。
ちっとも懲りてません。

ということで、「リニューアル予告」はしばらく予告のままにしておきます。



Wednesday,10 March,2010  泣き言など

このHPソフト、どうも相性が良くないと言うか、アヤシイ??
公開してしばらくは順調で、苦労の甲斐があったと一人で乾杯したのも、束の間。
この頃は編集さえままならないのです。使いやすくて気に入っているので何とか
使い続けたいのですが、あまりにもストレスが大きい。

ある日突然、以前のHPソフトに変えるかもしれません。
(…あの一ヶ月の苦労は何だったんだ。ぶつぶつ)



Monday, 8 March,2010  朗報

伊与部恭子さんの『来訪者』が、第20回日本詩人クラブ新人賞を受賞されました。
おめでとうございます。

ここでご紹介の詩集が受賞したり、ノミネートされていたりすると、とても嬉しいです。
ついつい、私が選んだ詩集だもの! などと、関係ないくせに得意な気分であります。
伊与部さんや杉本さんをはじめ、昨年はとくに素晴らしい詩集が多かったような。
これからも続々と朗報が届きそうで楽しみです。



Monday, 1 March,2010  たかとうさん出版記念会

2月13日、たかとう匡子さん『女生徒』の出版記念会でした。

ギリギリで会場に着き、エレベーターのドアが開いた瞬間、びっしり。みっしり。見渡す限り。
それもそのはず100名近い出席者だったそうです。

私もこのHPで紹介させていただいた『紙の舟』を、寺岡良信氏が静かに朗読。

 「学校に行きたかったよう/字もおぼえたかったよう」

たかとうさんの個人的体験から出ているにしても、昨今の傷ましい報道の子どもたちの
声にも聞こえ、ひときわ響きました。

たかとうさん、『女生徒』ご上梓おめでとうございます。



Tuesday,23,February,2010  『海にもたれて』

なんとか、どうにかこうにか公開に漕ぎつきました。

個人詩集というものがあるのは知っていても、どこでどんなふうにして手に入れるのか
見当もつかなかった頃。おそるおそる著者にお手紙して、わけていただいたときの
感激はいまも忘れられません。
それが、秋津久仁子さん『オルガンの一夜』。リニューアル記念に宝物の公開です。



Sunday, 14 February,2010  HPリニューアル予告

ただいまHPのリニューアルに取り組んでいます。

こんどは、矩形の作品はきちんと矩形にできます。
一番気になっていた点でもあり、嬉しくてパソコンに張りついていました。
ほぼできてはいるのですが、最後になってなにかとトラブル続出。
いまだ公開に及びません。

私が悪いのか?ソフトがわるいのか?
やはり私のやり方でしょうねえ。

先日のアドレス(URL)変更もいきなりでしたので、このたびはちゃんと予告して。



Saturday, 30 January,2010  個人誌『夜凍河17』完成

このたびのゲストは、秋葉宗一郎さん。
どこのグループにも所属していないとお聞きして、ぜひぜひ! 
うるさくお誘いして登場していただきました。

秋葉さん、ありがとうございました。



Wednesday, 20 January,2010  アドレス(URL)変更

http://www2.ocn.ne.jp/~yatouga に変更しました。

よろしくお願いします。



Monday, 18 January,2010  個人誌『夜凍河17』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河17』の準備を始めました。

しばしばお褒めの言葉をいただくのが、用紙。「良い紙質」「きれいな三つ折」と言われると、
ついニンマリ。なにしろ用紙にはこだわったのです。
定型に収まり、裏写りせず、印字が鮮明で、写真を載せた場合もきれいで……。
いくつ諦めることになるだろうと思いながら探しに探して、折り目の入ったこの用紙を発見!
こだわりの順序が違う気もしますが、本末転倒はいつものことです。

さて、『夜凍河17』
ひそかに注目している男性詩人をゲストにお招きして、2月発行予定です。




Tuesday, 5 January,2010  詩誌のこと・1 『Junction』

商業誌の詩誌一覧を見ていると、あまりにもたくさんたくさんあって、つい、よくもまぁ!と
声が出てしまうほどです。
号数からすると相当長い歴史をもっているところ、貫禄の数十号、順調そうな一ケタ台、
創刊したばかり、あるいは終刊号だったりとさまざま。ネーミングもまたしかり。

私が実際に目にするのはそのごくごく一部です。
内容はもちろんのこと、各誌の表情がまた愉しい。

『Junction』
柴田三吉さんと草野信子さんの詩誌は、気負わず、衒わず、ゆったりとして、深い。
たたずまいの美しさにも惚れ惚れ。
封を開け、“貌”を見て(同時に裏表紙も)、紙の手触りを確かめ、パラパラめくってポイン
トや空間のバランスをながめ、そうしてやっと読み始める。
読み終わると、“貌”をながめ、ひっくり返してながめ、こんどは最終ページの編集後記から
戻り……。しばらく時間を置いて封筒から取り出し、……。タバコの煙の中で繰り返すうち、
シンプルな白い詩誌がうっすら変色。
お二人の「往復書簡」がそうであるように、“読者との距離”にもまた敬意と慎ましさがあり、
読んでいて嬉しくなる。
*最新号 2010年1月『Junction73』



Sunday, 3 January,2010  明けましておめでとうございます

風邪気味だったせいもあり、見事な寝正月となりました。
もっとも風邪はあまり関係なく、日頃の睡眠不足解消、ついで眠り溜めする のは例年の
ことです。

さて今年は。
詩を書く。
個人誌をせめて年3回発行する。
いただいた詩集や詩誌はできるだけ早く読んで、早くお返事する。
HPを更新する。
……何も変わりませんねえ。
しかしながら、昨年できなかったことを、ひとつでもクリアすることを今年の目標
と考えるわけでして。

ゆっくり細々と続けていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。


『Collection詩集』でご紹介している詩人のみなさまには、事後承諾ながらご快諾をいただ
きました。が、まだご挨拶もないままの無断引用が一部あります。
あらためてこの場を借りてお詫び申し上げます。


Tuesday, 8 December,2009  4ヶ月

HPを始めて4ヶ月たちました。
あんなふうにしたい、こんなことも、でもこれはしない…が何とか形になってきたかな、
といったところです。

詩集はアップできていないものも多いのですが、まだまだ発展途上ということでお許しくだ
さいませ。なにぶん、読むのが遅く、理解はもっと遅く、お礼はサイテーに遅く、しかも整理
整頓ができないうえ、etc、と言い訳は得意な私です。いただく詩誌も、すてきなものが多く
て、このままではもったいない。とは思うものの。・・・・。

杉本徹さんの『ステーション・エデン』が第20回歴程新鋭賞を受賞されました。
おめでとうございます。



Thursday, 26 November,2009  収穫祭

2009年の11ヶ月で印象に残った言葉。

○『震災と神戸と文学と…あれから14年 なにが生まれなにが生まれなかったのか』
  パネルディスカッション。1月。神戸文学館。

パネラー:詩・富哲世 俳句・堀本吟 オーラル文芸・日比野純一(FWわいわい代表)
詩人の富哲世氏は、1995年から3年間3集発行されたアンソロジー『詩集・阪神淡路大震災』を軸に
湾岸戦争詩論争にもふれながら、ドキュメンタリーの価値、テーマ主義、虚構のコミュニティなど
多くの課題を提示。


「もし『14年目の震災詩アンソロジー』というものがあらわれたとすれば、そこに現れるだ
ろう詩篇は内容がおおよそ予測されてしまうのではないか」

 その後の質疑応答で、震災体験を交えて発言中の人を遮った参加者の

「そんな個人的なことはどうでもいい」


○『詩の危機を生きる』何が起こったのか、起こらなかったのか、おーい言葉よ!
  11月。現代詩セミナーin神戸2009。

宮沢賢治・吉増剛造・井坂洋子・岸田将幸等の作品を資料に、吉田文憲氏の講演から。

「伝達可能性の中に理解不能の余地(わからない=分けられない=<意味>に回収できない
部分)を残している」
 

○『詩はどこへいったのか』谷川俊太郎へのインタビュー。
  11月25日朝日新聞

 最近、社会の中で詩の影がずいぶん薄くなった気がするんです。

「詩は、コミックスの中だったり、テレビドラマ、コスプレだったり、そういう、詩と呼べるか
どうか分からないもののなかに、非常に薄い状態で広がっていて、……」

 ネットの浸透は、詩のことばに影響を与えていますか。

「……ことばがデジタル的に割り切れるものになっているような。詩はもっとアナログ的な、
アナロジー(類推)とか比喩とかで成り立っているものですからね。詩の情報量はごく限ら
れていて、あいまいです。……詩ではことばの音、声、手触り、調べ、そういうものが重要
です」

 詩情を探す、発見するノウハウを教えてもらえませんか。

「詩情は探すものではなくて、突然、襲われるようなものだと思うんです」



Wednesday, 11 November,2009  こっそり

私の詩集『薔薇の耳のラバ』を混ぜました。

詩集は、くるっと丸めてバッグにぽん! 
ソフトカバーこそあるべき姿、とまで思い込んだきっかけは何だったのか、いまとなっては
思い出すことができません。ぞんざいに扱えて、でも洒落たペーパーバックふうに、と
洋書コーナーで“本の貌”ばかり見ていた時期がありました。



表紙カバーは、陶芸作家・堕天使氏の個展『永久機関または
デカルトの幻視』より、『作品2』を拝借しました。

承諾をいただいてからも、他の人には使わせないでと
脅迫し続けること3年。
いやはや。
なんて私の言うセリフではありませんね。

ほんとうにありがとうございました。



そんな思い入れだけはたっぷり。読み返すほど冷や汗タラタラ。
以前、敬愛する詩人が、ご自身の第一詩集について
「拙いけれど、あのときの精一杯のもの」と。

そっくりいただいて、私の精一杯の詩集です。



Tuesday, 20 October,2009  松川さん出版記念会

10月17日、松川穂波さんの詩集『ウルム心』出版記念会に出席しました。

大阪、神戸、阪神、奈良はもとより、福井、東京からも駆けつけた『嘘つき男・嘘つき
女』たちで大変な賑やかさ。その顔ぶれ、楽しさもさることながら、みなさんが挙げた
作品、それぞれ異なっていたのがとても印象的でした。

このHPでご紹介の作品も迷いに迷った末の4編。
じつは、もっとも好きな作品のひとつは、隠したままです。

  ウルム心とは、かつて詩を書きはじめた頃、合評会の席で窓の一字を書き間違え
  て恥じる作者に、窓って字はウルム心と覚えればいいよ、と教えてくれた仲間がい
  たことに由来している。    ・・・「朝日新聞 倉橋健一の詩集を読む」より

あらためて、松川さん、第二詩集おめでとうございます。



Tuesday, 6 October,2009  コレクションのこと

『詩集』はじっさいコレクションの一部ですが、『映画』の半数は持っていません。
ただ好きなもの、忘れ難いものばかり集めました。

読んで欲しい、みて欲しいと言いながら、映画はろくにストーリーも紹介していません。
書評や映画評に関しても素晴らしいサイトが多くありますので、そちらにおまかせ。
ここの方針としては、こんなすてきな詩集や映画がありますよ。
と、小耳にはさむ程度に。

今回、増築のつもりで『Collection詩集Ⅱ』を作りました。
刊行順に読み返してみると詩人の正体(?)もほのみえるようで。
5~6編くらい転記して、でもぜんぶ載せてしまったら、詩集で、縦書きで読んでもらう
目的からずれてしまいそうなので、ぐっとガマン。
表紙をアップしたものの、さて、どの作品をご紹介しようか。

秋の夜長、ひとり楽しく悩んでいます。



Sunday, 13 September,2009  キップ

週末のJR車中。車掌さんの「乗り越しや青春18キップで日付け変更の…」声のする方を
みると、たしかに旅びとふうの人がキップを差し出していた。いいなあ。
通勤も含めてふだんは私鉄利用のせいか、妙に新鮮だった。
旅=距離、の部分だけでいえば、私鉄で見かけるのは旅の始まりの前、あるいは
旅が終わった後の姿で、旅の途中はありえない。

いつだったか、『ジパング』の賢い使い方で盛り上がっている席に連なっていて、
おもわず、いいなあ。
すると、「あなたもはやく60歳になりなさい。」

・・・しばしお待ちを。



Saturday, 5 September,2009  『夜凍河16』完成

この度ゲストにお招きしたのは同じ兵庫県現代詩協会のメンバー、豊崎美夜さん。
暗くて寒い「夜凍河」も融けそうです。

豊崎さん、ありがとうございました。



Thursday, 3 September,2009  特急「白鳥」

大阪-青森間を走っていた特急「白鳥」の画像を見つけたので
拝借しました。

数年に一度の帰省は、この特急「白鳥」。座ったまま青森まで。
夜更けに青函連絡船に乗り、夜明け頃に下船。苫小牧でまた
乗り換え故郷の駅に降り立つのは大阪を出発して26時間後。
                戻るときもおなじ。東京経由など考えたこともなかった。

いつかまた、と思いながら、せいぜい大阪駅で時刻表をながめているうち、2001年、
日本海に沿って1000キロを走った特急「白鳥」は、消えた。



Saturday, 22 August,2009  個人誌 『夜凍河16』

不定期、その都度必要部数発行の個人誌『夜凍河16』を準備中です。

せっかくいただいた写真加工ソフトも私にはお手上げで、あいかわらずワードとペイント、
簡単なフリーソフトだけ。それでもパソコンのオマケプリンターから複合機に変えたのを
機に、100部以上印刷することも増えました。

夜中にごそごそ手作り。
そんな『夜凍河16』は初めてゲストをお招きして、9月発行予定。



Friday, 7 August,2009  ホームページのこと

昔々。詩は教科書にあるから読むもの、読まされるものであって、こんなのどこが
面白いんだろう? 
ところがある日ある時、その教科書の中でも一編だけが違って、すとん。
「詩って、意外にすてきだな」
そんな出合いから10数年後。勧められて買ったものの積んだままだった一冊に、
なにげなく手が伸び…「詩って、すごい!」

以来、ほそぼそと詩に関わり、とくにこの数年は、詩が書けなくなるほど読んでみて、
「やっぱり、詩はすてきだ!」

というわけで、いまさらのホームページ開設です。


ここでは、いただいたり購入した詩集から数編ずつご紹介していく予定です。
個人的な好みが大きく反映していますが、詩集の雰囲気をお伝えするために、帯文や
栞、あとがき等の引用以外に、私なりに抜き出した詩行も載せました。

現在ご紹介している作品の他にも、ぜひ読んでもらえたらと思うものが多くあります。
それはそれで、実際に詩集を手にしてのお愉しみ、ということに。

このホームページが詩と出合うきっかけになれば、嬉しいです。


★著者の了解を得ずに掲載しています。
 ご迷惑のようでしたらお手数ですがその旨、お知らせくださいませ。



Saturday, 1 August,2009  出発

ホームページ『海にもたれて』をはじめました。

本家さま、はいみぃさま、ありがとうございます。

表紙下の写真は、テオ・アンゲロプロスホームページより拝借『霧の中の風景』。
 http://www.theoangelopoulos.com/main.htm


  もっと早く発てばよかった。木の葉のように、旅をしています。
  世界は不思議です。鞄や、凍てついた駅や、わからない言葉と身振り。
  恐ろしい夜。
  でも、楽しい旅です。まだまだ続きます。 (字幕・池澤夏樹)



 


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